鶴見区 コラム
公開日:2022.03.03
「土木事業者・吉田寅松」37 鶴見の歴史よもやま話
鶴見出身・東洋のレセップス!?
文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略
豪雪との闘い
明治二十六年七月に青森側からの奥羽北線から着工したが、明治二十七年におきた日清戦争で労働者や物資が不足し、十八銭だった日当が五十銭にも跳ね上がった。
各事業者は、労働力や物資の確保に苦労し、東北地方特有の気候にも苦しめられた。
奥羽地方は、名にし負う世界有数の豪雪地帯。シベリアから日本海を渡って吹き付ける湿り気を帯びた季節風が十一月から大雪を降らせ十二月には大地をおおい、一月から二月にはさらに厳しい寒波がおそってくる。
冬将軍に工事を阻まれ、三月から四月の融雪期には、雪どけ水で増水した川が氾濫して、作業は遅々としてすすまない。
まともに工事ができるのは四月から十月の間だけだが、梅雨の時期も作業はとどこおる。
筆舌尽くせぬ難工事
悪天候にも悩まされるなか、長期の工期をようする橋梁の架設工事や、雪におおわれた急こう配で険阻な山や谷を切りひらいて鉄路を伸ばす土木工事は、筆舌に尽くせない難工事の連続だった。
大地が雪におおわれてしまう冬季は、防護設備を施して工事をすすめたが、冬季四か月の作業量は夏季の一か月分にも及ばなかった。
青森から工事がはじまった奥羽北線は、岩木川流域の津軽平野を横断し、矢立峠を越えて米代川流域へ下り、能代平地に出て日本海沿岸の低地を走り、雄物川流域をさかのぼり、横手盆地を縦走して湯沢に至り、福島から米沢、山形を経て湯沢に至る奥羽南線と連絡する。
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