川崎市中央卸売市場北部市場=写真=の老朽化に伴い、川崎市は同市場の機能強化を含めた再整備を検討している。民間事業者の意見を取り込み、効果的に利便性向上や市の財政負担減を図ろうと、事業者に提案を募る調査を12月に行う。
北部市場は竣工後38年が経ち、施設の老朽化や市場を取り巻く環境の変化などから再整備を検討している。市は場内事業者や市民の利便性向上とにぎわい創出、財政負担軽減を目的に再整備について検証。民間事業者と直接対話しアイデアとノウハウを生かした提案を募る「サウンディング調査」を行うことを今月発表した。
サウンディング調査は「全面、一部建替(長寿命・高機能化)など再整備のパターンと施設配置、民間活用の手法」「整備後の維持管理・運営の業務範囲」「発生した余剰地の活用法」について12月中に民間事業者に提案を求める。
市によると、駐車場や施設の高層化などで余剰地が発生した際には、市場機能と連携したテナントなどとして活用することを想定しているという。建て替えは代替地がないため、敷地内で通常業務を行い機能を維持しつつ、元からあるスペースを利用して、解体・新築・移転を繰り返すローリング工事を採用する。
市は2021年度中に基本計画を策定し、22年度に整備事業者の公募・選定を想定する。現状では26年度中に着工し、33年度以降に完工する見通しだ。
新規機能の導入も
現施設について、市場内業者からは「荷さばき場の不足による卸売場や道路上での作業の常態化」「低温保管施設の不足」など不満の声が挙がっている。これに対し市は『川崎市卸売市場経営プラン改訂版』に定めた方向性などを踏まえ、取扱量に応じた適切な規模での機能配置、動線の効率化、物流体制や加工機能の強化、敷地の有効活用、新規機能の導入-など8項目の再整備の方向性を示している。
市担当者は「再整備の第一歩。まずは事業者の提案を伺えれば。場内事業者や市民の納得できるものにしていきたい」と話している。
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