宮崎在住の松井優花さん(私立高校3年)が、いじめに関する相談を受ける「学生カウンセラーチーム」を発足。8月17日には「熟議会」と称した公開オンライン会議を開催し、10代から50代までの約20人が意見を交わした。松井さんは「本人が強くなれば良いと言って突き放すのではなく、最後まで寄り添いたい」と思いを語る。
深く共感できる存在である学生自身による団体を作ろうと、6月にチームを立ち上げた。「いじめに悩む子どもたちをいやしたい」。そんな思いから団体名を「CK」(Cure Kids)と命名。現在は、発起人の松井さんと友人ら7人で活動。さまざまなSNSを通じて、いじめに関する相談を受け付けている。「相談者と年齢が近いので、気軽に話せ、流行りや学校の様子を理解しているのが強みです」と話す。
乗り越えた経験生かし
松井さんは高校入学後に、いじめを経験。年配のカウンセラーに相談した際に、「自分を変えるしかない」という表面的な解決策の提示に絶句。一人で泣くことも多かったが、勉強を教えるなど、率先して加害者に歩み寄って乗り越えることができた。「悩みや愚痴を聞いてくれる同じ年の親友の存在が大きかった」と当時を振り返る。
カウンセリング対象は小学生〜大学生。同チームの特徴は「解決方法をみんなで考えること」。一般的な相談所は1対1が多いが、ここではメンバー8人で意見を出し合い、自分を変えることなく環境を変えられるような解決策を目指す。
加害者にもカウンセリングを
同チームはいじめ相談のほか定期的なイベントも開催。8月17日には、いじめの根本原因を話し合おうと、オンライン会議を実施。弁護士やいじめられている生徒の保護者など20人が参加した。「アメリカのように加害者へのカウンセリングも大切だとわかった」と成果を話し、市内の若者で構成される「かわさき若者会議」の場でも提言したという。
松井さんは学校で発生する問題を法律の見地から学校に助言する弁護士「スクールロイヤー」制度の周知活動にも注力。サイトを利用し、短期間で約6500人の署名を集めた。そのうちの一人の精神科医がサポートに名乗りを上げた。「活動が間違っていなかったと自信になった。メンバーを増やし受け継いでいきたい」と抱負を語った。
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