意見広告・議会報告
連載119 賛成?反対?「討論」で態度を表明! みらい川崎市議会議員団 こば りか子
川崎市では、概ね年間4回定例会が開催され、その都度、行政から議案が上程されます。今議会でいえば、令和7年度予算や補正予算、条例改正や指定管理者の指定など、追加された人事案件も加えて93件の議案審査を行いました。毎回、代表質問や委員会等で審議を尽くした上で賛成するのですが、それに賛成することが市民の利益に繋がらないなどと判断する場合は反対します。また、複数の案件で一つの議案になっている場合や、これまでの審査では納得できない議案については、「討論」した上で賛成や反対を表明します。
そこで、令和7年第1回定例会での、我が会派の討論の一部をご紹介します。
☆川崎市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について(議案第36号)
【内容】都市公園条例に、市内にある1,200ヶ所の公園での喫煙を禁止することを追加するために改正する。
【結論】条例が施行される7月1日までに、様々指摘した課題を整理し、喫煙者・非喫煙者ともに、そもそもの趣旨を理解し納得して従っていただくため、健康増進法等を所管する局とも連携し取組むことを念押しし、「賛成」。
☆議案第61号 令和7年度川崎市一般会計予算 8,927億4,988万円について
【1】等々力緑地再編整備・運営等事業費をはじめ、新規分・未定分の大規模投資的事業経費の増大と、積み重なる債務負担行為(*予算は単年度で完結するのが原則ですが、事業や事務が単年度で終了しない場合は債務負担行為を設定し、将来にわたる債務を負う契約を結ぶ行為、またはその契約を指す予算に含まれる項目の一つ)の懸念がある。工事請負契約は1割以内の金額変更は市長専決処分が可能ではあるが、昨今の資材費・人件費高騰等の影響から一定の金額増が予測され、持続可能な財政運営に配慮すること。
【2】『市立学校体育館等の空調設備の整備費』として2億9,100万円余が計上されていることは評価するものの、市職員の特定業界団体との接触が明らかになったことから、公平性や透明性を確保した上で実施すること。
【3】今議会中に起きた繰越明許費(*歳出予算経費の内、年度内に支出が完了しない見込みがあるものを翌年度に繰越して使用できるようにしたもの)の記載漏れは単純ミスだったことから、チェック体制の強化やシステム的な支援の在り方など、具体的に検討すること。
【結論】一般会計予算は「賛成」。
★議案第52号 中央療育センターの指定管理者を社会福祉法人 同愛会に指定すること
【論点1】中央療育センターの過去4回の選定がいずれも「一者選定」という異例事態が続く中、「医師をはじめとした高度な専門職等多くの職員配置が必要なこと」を辞退の理由に挙げる団体もあったことは、施設の特性として指定管理事業が馴染むのかなど、根本的な見直しが必要だということが明白になったといえる。そもそも、発達や社会参加の支援を主な目的とする「通所支援」と、生活全般の支援や医療ケアを主な目的とする「入所支援」では、求められる専門性が異なる上、全国的にみても、入所事業所と児童発達支援センターの両方を一手に引き受け運営している事業者はほぼなく、両方の施設運営実績を有していなければ応募できない現状は「一者選定」を助長し、固定化を促していると指摘せざるを得ず、「通所支援」と「入所支援」を分割して公募する以外に改善方法はないと考えること。
【論点2】指定管理者となる「同愛会」では、平成28年12月に中央療育センターで児童死亡事故が発生。平成29年には同愛会が運営する別のグループホームで職員による利用者の高額金銭横領事件が発生。平成30年には、中央療育センターで性的虐待事件発生。同愛会が運営する横浜市内の障害者入所施設や東京都の知的障害者入所施設でも虐待事件が多数発生するなど、事故や不祥事は枚挙にいとまがない状況であること。
また、こうしたことに対する「行政指導」に対し、向き合う姿勢を見せない法人の組織運営体質に対する深刻な危惧と不安が、委員会審査でも払拭されなかったこと。
【結論】上記課題以外にも、同法人には本市職員が複数再就職している上、選定について「指定管理期間の事業者を評価」し、「指定管理事業の継続を決定する総括評価委員が、次期事業者の選定委員を兼務するのは不公正」と考え、見直しを求めてきたものの改善されないまま選定が行われたことや、指定管理者制度の根幹ともいえるモニタリングの在り方についても見直すべき課題が多い、等々の理由から、議案に「反対」。
議会終了後に各世帯に配布される「議会かわさき」では、議案の賛否状況が一覧表で記載されていますので、関心を寄せていただければ幸いです。
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5月16日
5月9日