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公開日:2026.07.10

川崎市で増える「見えない孤独死」対策 連載129 今求められる「お節介な見守り条例」の導入を目指す みらい川崎市議会議員団 こば りか子

  • 今求められる「お節介な見守り条例」の導入を目指す (写真1)

 先日、川崎市内の戸建て住宅でご夫妻の在宅死が発見されました。行政側は消防から「不搬送(現場で明らかな死亡が確認された状態)」の情報を庁内で共有する仕組みがないため、把握していないことがわかりました。こうした搬送に至らない深刻な事案は、令和5年の208件から令和7年には274件へと年々増加傾向にあり、その背景には昨今社会問題化している孤独死が含まれています。

 現在、川崎市には約33万7千人の高齢者が暮らしており、実に「高齢者の5人に1人が一人暮らし(単身世帯)」という状況です。しかしながら、何らかの公的支援や見守りにつながる目安となる「介護認定」を受けている人は約6万6千人と全体の2割に満たないため、行政の手が届いていない高齢者世帯が地域社会に相当数取り残されているのが実態です。これは、公的支援とつながりがなく、潜在的に孤独死のリスクを抱える世帯が多数存在していることを意味しており、特に熱中症のリスクが高まる夏季や体調を崩しやすい冬季、さらに、女性に比べ男性の孤独死発生リスクは3.7倍高いとされることから、具体的な予防・救済対策が急務です。

 こうした課題に対し、全国に先駆け先進的な取り組みを行っているのが東京都足立区です。足立区は「足立区孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例」を独自に制定し、「孤立」の基準を明確な数値で定義した上で、守秘義務を前提として行政が持つ対象者の名簿を、町会、民生委員、警察、消防などの関係機関に提供し、地域全体でリスクのある人を早期にあぶり出す体制を確立しています。さらに、「絆のあんしん協力員」として1,300を超える地域の個人や事業者が、地域包括支援センターを中心に緊密に連携し、配達等業務や買い物など、日々の「ついで」の際に気にかかる異変を察知し報告したり、定期訪問や居場所づくりのイベントに協力したりするなど、住民が気軽に参加できるハードルの低い、お節介による見守りのネットワークを構築しています。

 一方、川崎市では、民生委員による日頃の定期訪問や「高齢者等緊急通報システム事業」を導入しているほか、民間事業者と協定を結んだ「地域見守りネットワーク事業」などを展開しています。この民間連携の取り組みでは、昨年の通報件数76件のうち4件が実際の緊急救急搬送に結びつき、尊い命を救う一助となるなどの成果も報告されています。

 今回の痛ましい事案や足立区の実効性ある先進事例を踏まえ、本市においても孤立ゼロを目指す条例化や、一歩踏み込んだ情報共有の仕組みづくりについて議会等で質問したところ、市側からは「足立区をはじめとする他都市の事例をしっかりと参考にしながら、川崎市の実情に即したより効果的な取り組みをスピード感を持って検討していく」との前向きな回答が得られました。誰一人として地域から孤立させない、実効性のある見守り体制が早期に構築されるよう、今後も動向を注視し、提言を続けてまいります。

みらい川崎市議会議員団 木庭理香子

TEL:044-299-7360

http://www.koba-rikako.com

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