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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2026.08.14

虹ヶ丘こども文化センターで「虹の丘こども美術館」を開いている 高森 遼一さん 麻生区在住 39歳

  • 高森 遼一さん (写真1)

自分の色を塗り重ねる

 ○…虹ヶ丘こども文化センターに並ぶ鮮やかな動物の絵。訪れた子どもたちと一緒に作り上げようと「こども美術館」と名付け、展覧会を企画した。日に日に増えていく子どもたちの塗り絵は感化されたように、自由な色で彩られている。「一生懸命、それぞれの解釈で描いてくれている。自分の思いが伝わっているのかも」と笑顔で話す。

 ○…長野県出身。生まれつき色覚異常があった。小学3年の自画像の授業。自分の思う色で描いていた時、教師に「肌はこの色」と塗りつぶされ、同級生に笑われた。「自分は絵を描いてはいけないと思ってしまった。あの辛さは今も覚えている」と振り返る。心の傷と向き合う中、「自分なら生きづらさを抱える子どもに寄り添えるはず」と保育の道を志し、高校卒業後に上京。川崎市内で就職し、結婚を機に麻生区へ移った。

 ○…3年前、息子の夜泣きが止み自分の時間ができた。ふと見た机に置いてあった色鉛筆。「今ならできるかも」と30年ぶりに描き始めた。頭に浮かぶメッセージを基に無心で筆を進めると、大好きな動物の形になる。色を塗る時は100色以上で重ね、後に微調整。描いては消してを繰り返す。心で描いた絵はSNSを通じて広がり、海外でも展示した。「自分の色で良いと思えた。8歳の時の自分が報われた」

 ○…息抜きは手料理。家族がおいしそうに食べる姿を眺めるのが至福の時。本職の保育者として重視するのは、子どもを一人の人として接すること。「型には当てはめたくない」と力を込める。子どもとどう向き合うべきか常に考えてきた。絵もその手段。「急に絵を始めた不思議な大人もいる。それでもいいんだと思ってもらえたら」。一人ひとりの色を尊重し、鮮やかに描き上げる。

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