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公開日:2026.10.30

菅北浦 子之神社 30年ぶり特別公開 市記念物の「本殿」 11月3日限り

  • きめ細やかな彫刻で埋め尽くされた本殿

    きめ細やかな彫刻で埋め尽くされた本殿

 多摩区菅北浦の「子之神社(ねのじんじゃ)」で11月3日(火・祝)、川崎市重要歴史記念物に指定される本殿が約30年ぶりに一般公開される。普段は社殿奥の覆屋の中でシャッターに閉ざされ、氏子会役員でさえ目にすることはほぼない。地元住民からの熱い要望を受け、実現に至った。

 同神社の起源は定かではないが、鎌倉時代には菅に加え、麻生区細山や金程、稲城市坂浜にかけての一帯の鎮守であったとされる。焼失と再建を経験しながら菅の地に鎮座し続け、「ねのかみさま」と呼ばれ、地域で親しまれている。

 今回、公開される本殿は大きさが約1・8m(1間)四方で、高さは目測で4mから5m程度。江戸後期の19世紀に建てられたと推定され、1996年には市重要歴史記念物に指定された。

 この本殿の最大の特徴は、全体を埋め尽くす緻密で豪華な木彫だ。側面と背面には、「三国志演義」「大百足退治」「金太郎」の一場面の彫刻があり、その下部は童や動物の彫刻で飾られている。正面左右の側柱には龍の彫刻が巻き付いている。

 劣化や焼失を防ぐため、本殿は覆屋の中で保護されてきた。さらに、「神様は人目にさらすものではない」という信仰的配慮もあり、約30年前の覆屋完成時を最後に公開されていなかった。扉が開くのは年に一度、市教育委員会への状態報告時のみ。長年神社を支える氏子会役員でも「見たことがない」と語るほど厳重に管理されてきた。

 転機は2019年、千葉大学などの研究機関による調査だった。本殿と測柱をつなぐ湾曲した梁「海老虹梁(えびこうりょう)」の左右2本両方に彫刻が施されているのは、この本殿を加えて全国で3例のみと、歴史的価値や芸術性が改めて高く評価され、公開の機運が高まった。

 「地域の宝を広く見てもらおう」と準備していたが、直後にコロナ禍となり中止に。今年4月に氏子会役員は改選したことを機に準備を再開し、市教委の協力を得て、公開を実現させた。

 氏子会の上原宏也会長は「『ねのかみさま』のありがたさを感じてもらいたい」と話し、役員の樋山敬治さんは「村の神様に立派なものをと尽力した先人の心意気を感じてほしい」と語った。

 本殿の公開時間は午前9時から午後3時まで。同神社は南武線稲田堤駅から徒歩12分。旧三沢川の「子之神橋」を渡り、福昌寺と法泉寺の間の坂道を進んだ階段の上。

 (問)同神社【電話】044・944・2021

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