市立はるひ野小学校(麻生区はるひ野)に通う寺田羽那(はな)さん(6年)がこのほど米国・フロリダ州で行われた若手バレエダンサーのための国際コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ」(YAGP)9〜11歳の女子「クラシック」の部で1位に輝いた。寺田さんは「多くの人に笑顔を届けられるダンサーになりたい」と、はつらつとした表情で夢を語った。
このコンクールは、9歳から19歳までの若手バレエダンサーに、教育とパフォーマンスの機会を提供することを使命に掲げる非営利団体・YAGPが開催するもの。40カ国以上で地区予選が行われ、優秀な成績を収めたダンサーが米国で行われるファイナルに進める。
寺田さんは、昨年10月に兵庫県で開催された日本予選に出場。9歳から11歳を対象にした「プリコンペティティブ部門」で最高位の「ホープ・アワード」を受賞した。全部門合わせて1千人ほどの参加者がいる中、各部門上位12人のうちの一人として、米国への切符を掴んだ。
「ダンサーの意地」
「不安な気持ちもあったけれど皆の踊りを見て、ここに自分も立てるんだと楽しみになった」。ファイナルの会場で舞台上のライバルたちの姿を見て、心を躍らせたという寺田さん。一方で、既に知名度も高く、現地で多くの人に声を掛けられるなど、独特の空気も強く感じたそう。
張りつめる緊張感の中、寺田さんは古典の名作『海賊』を披露。「音楽が軽やかで強弱がしっかりしている。振りも大好き」な作品だ。しかし、演技の途中ではバランスを崩したり、得意の回転技・ピルエットを失敗したりと、ミスが続いてしまったという。自身の演技を「60点くらい」と悔し気に振り返る。
それでも、作品の高い理解度や技術が評価され、211人の頂点に輝いた。寺田さんを指導する「YARITA YU BALLET STUDIO」(稲城市)の鎗田優さんは「関係者からは、クラスレッスンの取り組み方などの評価も高かったと聞いた。ミスもあったが、切り替えの早さにダンサーとしての意地を感じた」と称えた。
失敗は成功のもと
幼稚園年中の頃からバレエを始めたという寺田さん。元々ジャズダンスを習っていたが、合同発表会で見た華やかな衣装に目を奪われ、バレエダンサーとしての道を歩み出した。「バレエが好き。ずっと動いてずっと踊りたくなっちゃう」と愛は深まる一方だ。
強みはメンタル面。コンクールに出場し始めた当初は、緊張から思うように踊れず、くよくよしてしまう時もあったが、今では「練習しなきゃと気持ちを切り替えられるようになってきた」と寺田さん。「辛いことがあっても寝れば治る。失敗してすぐの踊りは上手くなる」と力強く語る。
夢は「いろいろな人に笑顔を届けられるお手本のようなダンサーになること」。今回の大会では賞品として英国にある名門「ロイヤル・バレエ・スクール」への短期留学の権利を得た。世界で刺激を受けながら、夢を叶えるため、舞い続ける。
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