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公開日:2026.06.26

鈴虫祭り 45年の歴史に幕 高齢化などで飼育者不在に

  • スズムシを譲り受ける来場者=写真は過去

    スズムシを譲り受ける来場者=写真は過去

 中原区の夏の風物詩として、長年にわたり常楽寺(通称・まんが寺/宮内)で開催されてきた「かわさき鈴虫祭り」が今年の開催を見送ることがわかった。同イベントでは、育てたスズムシを市内の福祉施設へ寄付するほか、市民への無料配布を行ってきた。主催する新城鈴虫愛好会によると、飼育者の高齢化などによって、スズムシが育てられないことを理由にあげる。44年続いてきた風物詩がその歴史に幕を閉じることになった。

 かわさき鈴虫祭りは、川崎北ロータリークラブ(北RC)、川崎北法人会、川崎中原工場協会の協力で開催してきた。44年前に、北RCの会員で、地元の歯科医師だった加藤吉次さんが子どもが通っていた小学校で飼育していたスズムシを福祉施設に寄付。それを知った北RCのメンバー有志で協力したのが「かわさき鈴虫祭り」の始まりだ。同クラブのメンバーらによるスズムシの飼育も開始。8月最終週の日曜日の開催に合わせて5月下旬ごろから育てるようになったという。北RCのメンバーでもあった常楽寺の住職の協力で同寺を会場として市民に無料配布するようになった。

 育てたスズムシは、市を通じて市内の福祉施設に毎年1千匹から2千匹を寄付。常楽寺でのイベントには、地元のみならず、遠方からもスズムシを求めて会場を訪れるなど、中原区を代表するイベントの一つとして好評を博していた。また、地元の宮内中学校で、年に一度、「命のリレー」と題して、スズムシの生態や飼育方法などを伝える授業も行ってきた。

苦渋の決断

 加藤さんが亡くなった後も、その遺志を継ぎ、ほかのメンバーらを中心に飼育を続け、イベントを継続。しかし、年々高齢化などを理由に飼育者が減り、ここ数年は北RCの中村芳文さん、山口敦男さんの2人で育ててきたものの、昨年限りで中村さんが高齢を理由に飼育を引退。山口さんは一人でも続けようと思っていたが体調を崩してしまい、飼育を断念した。「加藤先生の遺志を継ぎ、続けていきたかったが、体がついてこなくなった」と苦渋の決断に至った。

 6月15日に新城鈴虫愛好会は会合を開き、飼育者がいないことから今年の開催を断念。来年以降の開催を見送ることを決めた。山口さんは「始まりがあれば終わりがある。また別の形で、若い人たちが地域の奉仕活動を行ってもらえれば」と次代へ希望を託した。

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