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中原区 人物風土記

公開日:2026.10.23

書道団体「柯の会」を主宰し、個展を開いた 吉田 文一郎さん(雅号:吉田東霞さん) 木月在住 102歳

  • 吉田 文一郎さん(雅号:吉田東霞さん) (写真1)

百寿超え、まだまだ現役

 ○…10月6日から11日まで、元住吉アートフラッツで主宰する「柯(えだ)の会展覧会」と「吉田東霞書陶展」を開催し、多くの人で会場はにぎわった。「銀座のように人通りがあるわけではない。興味があって見に来てくれて、喜んでくれたのはありがたい」と顔をほころばせる。100歳を超えていまだ書き続け、陶器づくりも続ける。「全国でも自分だけなのでは」と豪快に笑う。

 ○…大田区で生まれ、6歳のころから書道を習い始めた。師事していたのは、書の大家で日本芸術院会員の松本芳翠さんだった。早稲田大学に入学し、企業への就職も内定していたが、戦局の悪化に伴い召集された。近衛野砲兵連隊に入隊し、砲手として九十九里へ従軍。米軍機に襲われ難を逃れる経験もし、終戦を迎えた。「自分のやりたいこともできなくなる。戦争なんかするものじゃない」と力を込める。

 ○…除隊後、家に戻るも空襲で焼けてなくなっていた。住まいを転々としながら、会社に勤め、余暇では書道を再開。1949年に元住吉に移り住み、柯の会を立ち上げた。書を教えるだけでなく、仲間と共に中国や日本の古典を勉強し、書として作品をつくる。「詩の意味を表した字を書くこと。書いているものに命を宿すことが大事。芸術は一生かけてやるもの」。それを信条として会を運営し、90年以上作品づくりを続けてきた。

 ○…書や陶芸だけでなく、舞踊や歌舞伎なども学んできた。好奇心が旺盛な性格は幼いころから今も変わらない。「芝居を見るのに、学ばないと難しさや魅力がわからないからね」。自身の思いは後進へ。「作品や研究材料は残してある。書の意味を理解し、継いでいってほしい」。いつまでも現役で、作品づくりを続けていく。

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