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公開日:2026.10.23

「大切な倫理観」子どもらへ 私設図書館館長、絵本を制作

  • 完成した絵本を持つ内田さん=えほんの森図書館

    完成した絵本を持つ内田さん=えほんの森図書館

 親子や子どもたち向けの私設図書館・えほんの森(上新城)を運営する内田正志さん(48)が、新作絵本『たいせつなこと』を出版した。本作が問い掛けるのは、「相手を思いやる大切さ」という普遍的なテーマ。「未来を担う子どもたちや大人に向けて、生き方を問い直す一冊」として、その思いと社会的意義を話す。

 本書の誕生は、作者の内田さんが「利益優先の自分本位な行動や考え方に陥りがちな現代において、人への思いやりや倫理観をどうやって次世代へつないでいくか」という、地域社会全体で共有すべき大切な問いについて投げ掛ける一つの思いから始まった。

 絵本の中で描かれるのは、過ちを犯してしまった主人公の姿だ。自分の保身や利益ばかりを考えて行動することに対し、「本当に自分のことだけを考えているだけでいいのか」と問い掛ける。このメッセージは子どもはもちろん、日々忙しく過ごす大人にとっても深く胸に刺さる内容だ。あえてシンプルな絵に仕立てたのも、「絵の印象に流されず、ストーリーとじっくり向き合ってもらうための絵柄にした」という内田さんのこだわりが込められている。

 内田さんは4年前から仲間とともに歴史や災害の現地を訪ねて、そこで得た学びや教訓を子どもたちに伝える絵本を作り続けてきた。今回は日航機事故の現地取材や遺族との対話を学びの端緒としながらも、悲惨な出来事を直接描くのではなく、誰もが自分ごととして捉えられるストーリーへと昇華させている。

 完成した絵本は、地域の子どもたちに読んでもらおうと、近隣の保育園や幼稚園、公共施設へ寄贈していく考えだ。読み終えた後に「自分ならどうするだろう?」と、子ども同士や親子で語り合える時間が生まれてほしいと思っている。

 絵本をきっかけに、家庭や地域の中で優しさや命の尊さについて言葉を交わし合う――。そんな温かな対話の輪を広げる取り組みを地域全体の心の豊かさにつなげたいと願う。内田さんは「手に取った人が何を思い、どう語り合うのか」と、今後の広がりに期待する。

 今作は長崎の原爆や東日本大震災などをきっかけに学びを届けてきた内田さんによる、3冊目の作品になる。

 希望者に本書を進呈。問い合わせは【電話】080・5885・5515。

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