麻生区版 掲載号:2019年11月15日号 エリアトップへ

作品「ふるさと」が日展の特選に選ばれた日本画家の 大矢 高弓さん 千代ヶ丘在住 50歳

掲載号:2019年11月15日号

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色も年も一筆に重ねて

 ○…国立新美術館で開催中の公募展・日展で、日本画作品が「特選」に輝いた。25年出展し続け初めての快挙。「別の人が選ばれると思っていたので驚いた」のが素直な感想だ。祖母をモデルにしたが、元々苦手だからこそ挑戦した人物画。題名「ふるさと」のように、幼いころから訪れていた野沢温泉が背景の、ぬくもりを感じさせる作品だ。妻や家族も受賞を喜び「受賞したからといって絵がダメにならないようにしなくちゃ」と笑って見せる。

 ○…5人きょうだいの三男。一見珍しい名前は、苗字にちなみ「弓を高く射るように」と付けられた。父で日本画家・大矢紀氏が家で絵を描く姿を見て、小学生の頃には自身も日本画家を志すように。柿生中、麻生高校に在学時は、身近な草木や野鳥をスケッチ。多摩美術大学に進学し本格的に日本画を学んだ。画業と並行し、桐光学園小学校で開学時から教壇に立つ。「工作や絵を楽しんでもらいながら、子どもたちの中に引き出しが増えれば」と児童に美術の楽しさを伝えている。

 ○…干支がモチーフの年賀郵便切手(2009年用等)や年賀状印面の原画も手がけた。日本画で使用する岩絵具の「色合いや質感が好き」。岩絵具の基となる鉱物集めが趣味で、自宅には即売会で入手した水晶やトパーズなどが並ぶ。「鉱物から絵具を作ろうとは思わないけれど」と苦笑。育った麻生の街並みもよくスケッチする。

 ○…忙しい日々だが、春と秋の公募展に毎年出展することを自らに課している。今後描きたい絵は「模索している」状態。「絵を描くことは年齢を重ねてもできる。一つひとつの絵に向き合って、一枚でも人の心に残る作品が描ければ」。一筆ごとに、色や思い、経験を重ね描いていく。

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