坂道が多い麻生区。区内の”とある坂”が、「日本一急な坂道?!」と、たびたびSNSで話題になっている。実際に確かめるべく、本紙で探してみた。
話題になっている坂があるのは岡上の西側、鶴川駅近く、町田市との市境にある和光大学の周辺。この辺りは、ほかの地区同様に、もともと山だった場所を切り開いて開発された住宅地だ。
そんな岡上にあるのが、一番から十番までの名前が付けられた坂。地元住民の間でも、以前から番号で呼ばれているという。鶴川駅側から順番に一番から番号が進んでいくものの、「三番」は階段、「四番」は存在しておらず、坂道は8つだけ。岡上西町会の二宮弘史会長によると「『4』という数字は縁起をかついで避け、『3』も元は坂道だったのを階段にしたという話を聞いた。以前はどこも私道だったが、今はほとんどが公道になっている」という。
坂道は、見た目では一番坂から番号を重ねるごとに傾斜がきつくなっている印象で、一番端にある「十番坂」が最も急坂。SNSで話題になっているのも、この「十番坂」だ。
住民「雪かき大変」
入り口はなだらかな傾斜だが、少し先を曲がって現れてくるのが急勾配の坂道。下から見上げてもその角度がわかるが、坂上から見下ろすと怖さを覚えるほどの角度だ。坂道の脇の住宅の前には、上り下り用の細い階段があるのが、その傾斜度を物語っている。
実際の勾配はというと、SNSでは42%と紹介されている。麻生区役所や、道路公園センターに確認してもこの坂道の勾配、斜度がわからなかったため、記者がスマートフォンのアプリで計測してみると、傾斜度は21度、勾配は37%だった。インターネット上で、日本一の急坂の国道と多くのサイトで紹介されている大阪府と奈良県の境にある「暗坂」は勾配37%。東京都東大和市にも同じく37%の勾配の坂があるとも言われており、それらと同じ規模の急坂だ。
「十番坂」の途中に住む同町会の二宮会長は「車で上っている人もいるが、慣れていない人は途中で引き返す場合も見受ける。自転車で上れる人はいないと思う。急坂ではあるけど、勾配がどの位かはわからないし、もう慣れてしまった」と話す。同じく坂道の途中に住む男性は「自転車の人は、降りて上り下りしている。雪が降った時の雪かきが大変」と語る。
麻生市民館岡上分館が地域住民と協力して制作した岡上の魅力を紹介するリーフレット「岡上を歩く地図」でも「激坂エリア」としてこれらの坂道が掲載されている。日本一の急坂かどうかはわからなかったが、麻生区のレアスポットのひとつで間違いないだろう。
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