差別に反対する市民団体「ヘイトスピーチを許さない『かわさき市民ネットワーク』」は5月8日、JR川崎駅東口で行われた排外主義を唱える「日の丸街宣倶楽部」による街頭演説会会場近くで自分たちで作成した「瓦版」を道行く人たちに配布。演説がヘイトスピーチだと訴えた。
『川崎・差別のない人権尊重のまちづくり通信』と題した瓦版はA3サイズで3月20日に作成。この中で、ヘイトスピーチは、やがては脅迫行為といったヘイトクライムにつながる恐れがあるとの指摘や、川崎市には全国初のヘイトスピーチに刑事罰を科す川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例があること、一方で活用しきれていないとし、被害者救済制度の確立などを訴える。ネットヘイトに対する損害賠償請求訴訟や差別表現についての東京都の判断やヘイトスピーチを止める実効性のある条例制定に向けた議論が進められている相模原市の現状を紹介。川崎朝鮮学校への市民給食ボランティア活動「トングラミ」や川崎市の在日コリアンの歴史についてのコーナーもある。
同ネットワークの三浦知人さんによると、これまでのヘイト演説会でも、レイシスト(差別主義者)の行為を非難するビラを配っていたが、より幅広い形で差別問題を取り扱おうと、このような形式にしたという。定期的に発行し、差別をなくすためのまちづくりを進めていきたいとしている。三浦さんは駅頭配布活動に一定の手ごたえを感じつつ「参院選が近づき、今後は選挙にかこつけたヘイトスピーチ演説会も行われるかもしれない」と語る。
日の丸街宣倶楽部の演説場所では「差別や憎悪の言葉をまき散らされる」と危機感を募らせた人たちが集結。和太鼓のリズムに合わせ「レイシスト帰れ」などと一斉に声を上げ、演説者の声をかき消していた。
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