緑区西橋本にある「(株)さがみはら産業創造センター(SIC)」(橋元雅敏代表取締役)の取組みが、総務省が3月31日に公表した「第三セクター改革等先進事例集」の中で、「公共性・公益性が高い事業の効率的な実施」として選定された。同社の取組みが、他自治体の参考とされていくことが期待される。
同社は、新規事業創出や新分野進出をめざす企業などを支援(インキュベーション)する施設として市と独立行政法人中小企業基盤整備機構、民間企業などの出資により、1999年4月に設立された第三セクターの株式会社。資本金は23億9450万円。西橋本と上溝に保有する3施設126室に創業初期から上場手前までの新規事業創出などをめざす幅広い事業者が入居。インキュベーションマネージャーと呼ばれる専門スタッフが常駐し経営支援や研究開発などをサポートしている。
地元経営者が参画
また対象を地域企業にも拡大。次世代を担う経営者や若手人材を育成するための「経営塾」「職場リーダー養成塾」といった教育・研修事業などを実施し、入居および地域企業間のネットワーク構築を図っている。
入居企業からの賃貸収入を自主財源としており、同社によると、3月末現在の入居企業数は90社。設立からの入居企業総数は340社を数え、これまでに250社が同施設を卒業。そのうち、95社が市内に拠点を構えているという。
運営には地元の企業経営者が社外取締役として参画。「資本は公」「経営は民」という考え方のもと、民間の活力や感覚を反映させることで、高い事業性や即効性、持続性の実現を図っている。
今回、第三セクターの経営健全化や改革の推進などを図るために総務省が取りまとめた「第三セクター改革等先進事例集」の中で、同社の「地域の企業経営者の経営参画による地域産業振興」という取組みが、「公共性・公益性が高い事業の効率的な実施」として改革事例で紹介された。
同社では「18年目を迎え、これまでやってきたことが報われた。産業支援機関の先進事例として、牽引していきたい」と話している。市産業振興課では、「市の経済活性の政策をSICが担っている。企業誘致などの制度を市が充実させることで、より地元に根付いた企業が生まれてくるのでは」と話した。
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