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さがみはら中央区 コラム

公開日:2026.04.23

【寄稿】発見!田名の生き物 天然の「ゲンジボタル」 相模原市立博物館 秋山幸也館長

  • ゲンジボタル(写真提供=秋山館長)

    ゲンジボタル(写真提供=秋山館長)

  • 雑木林と田畑が広がる「望地」

    雑木林と田畑が広がる「望地」

 田名の生きものでまず思い浮かべるのは、ゲンジボタルです。望地弁天キャンプ場付近の農業用水路に発生するゲンジボタルは、おそらく県内でも最大級の発生数を誇ります。毎年、5月下旬から6月初旬にかけて成虫が発生し、ピーク時の好条件の日には水路沿い全体で千頭以上の光の乱舞が見られる年もあります。好条件とは、温度・湿度が高く、風が強くない日の午後8時前後です。

 田名望地のホタルはすべて天然のもので、幼虫の食料となるカワニナも含めて、他の産地のものを足していません。つまり正真正銘「田名のゲンジボタル」なのです。

 この水路でゲンジボタルが自然に発生している理由は、段丘崖と呼ばれる崖地の下の湧水が幾重にも水路へ流れ込み、農業用の取水を行っていない秋から冬にも水がある程度流れているためです。そして、その水路の環境を維持するため、清掃などの管理が行われていることも大きな要因です。清掃は毎年2月に田名公民館が声掛けをして、地元の皆さんや中学生、高校生なども参加して行っています。

 田名のゲンジボタルは地元の宝です。その宝はただ見守っているだけで維持できるものではありません。農業の営みとともに、地元の皆さんの愛と努力の結晶が、初夏の光の乱舞だと言えます。

 実は、この水田地帯ではほかにも近年減少が著しい両生類や植物が分布しています。博物館では毎年現況を調査して、地域の宝の記録を蓄積しています。それが地域の博物館の使命だからです。

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