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初の地元コンサートを10月に開催する、フォルテピアノ奏者 平井 千絵さん 南区御園在住 39歳

公開:2013年9月12日

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音色が導く 馬車からの風景

 ◯…「何かが違う」。小学生の頃から不思議に思っていた。現代の楽器(ピアノ)で200年前の楽曲を弾くとそう感じた。その答えがわかったのは大学2年、フォルテピアノに出会ってから。7オクターブ半の黒い現代ピアノでなく、5オクターブしかない、この200年前の楽器で奏でると、しっくりきた。そう、モーツァルトもショパンも、フォルテピアノで作曲していたからだ。

 ◯…同居の叔母がバイオリニストだったため、幼い頃から音楽は身近なものだった。ピアノを始めたのは3歳のとき。グランドピアノを見て感動した。「かっこいい。やってみたい」。思うようにうまく弾けず、辞めたくなったことは何百回も。それでも”がむしゃらな練習”で、高2のとき、最年少で園田高弘賞ピアノコンクールの3位に輝いた。

 ◯…現代ピアノからフォルテピアノへの転向は「別の言語を覚えるよう」な挑戦だった。指にかかる力は10分の1程度。鍵盤の高さは半分だ。桐朋学園大学を卒業後、本格的に習うため、故・小島芳子さんに師事。オランダ留学を決めた。1年のつもりが、大学院へ進み、その後は奏者、講師として活躍。そして現地で知り合った日本人作曲家と結婚し、長男を授かった。気がつけば14年間オランダに。「最高でした。食事以外は…」。カルヴァン主義の影響で“食に喜びを見出してはいけない”スタイルがあるそう。2012年に帰国。現在は公演活動をメインとし、地元で仲間と音楽教室も開いている。

 ◯…自宅のスタジオには3台のフォルテピアノがある。どれも柔らかく、少し「華奢(きゃしゃ)な」音色。フォルテピアノは当時の香り、エッセンスを引き出してくれる。現代ピアノを乗り物界のひとつの頂点「F1」に例えるなら、フォルテピアノは「馬車」のような存在だそう。「馬車に乗りながら見える景色を表現できる。きっとモーツァルトもそんな気分で演奏していたはず」
 

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