さがみはら南区 人物風土記
公開日:2026.06.04
女子美アートミュージアムの館長を務める 三谷 理華さん 横浜市在住
「立ち止まる」出会いを
○…館長に就任して5年。「心に残るアート作品を見ていただけるような美術館になれば」との思いを語る。館長として企画の助言や、大学との調整、会議の出席や関係者との交流に留まらず、自ら展覧会の企画、作品を借りるための交渉も行う。「『自分の故郷は美大がある街』と、地域の方に誇ってもらえるような活動をしていきたい」
○…鳥取県出身。中学時代は外交官を目指し、高校時代は歴史の面白さに目覚めるなど向学心に溢れていた。大学進学のため上京した京都で転機が訪れた。美術館で見たルネ・マグリットのポスター展に「えっ何だろう。この人面白い」と衝撃を受けた。当時は故郷に美術館がなく、絵画に触れる機会がなかった。図書館で画集を探し、ほかの作品に触れ、みるみる美術史の世界へ。大学院では美学美術史学を専攻しフランスへ2年弱留学した。
○…公立美術館で25年間学芸員を務めた。ライフワークは、仏画家「ラファエル・コラン」の研究。20年以上続け、論文も20本以上執筆している。新人時代に企画展を任されたことが契機に。明治期の日本洋画家に影響を与えた人物だが、当時はほぼ誰も調べていなかった。渡仏し死亡証明書を手掛かりに所在不明だった重要作品を現地で発見。このことはメディアで紹介され、企画展は倫雅美術奨励賞を受賞し学術的に評価を受けた。「美術史の調査は未解決事件の捜査のよう。まだ調べたりない」と笑う。
○…アートを楽しむこととは「作品をしげしげと見ていられること」と、定義する。仕事柄多くの美術館へ足を運ぶが、今でもふと立ち止まり作品に見入ることはある。「足を運ばないと始まらない出会いなので」。心を豊かにする場を地域へ提供していく。
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