新春インタビュー 切磋琢磨した盟友 ともに挑む最高峰の舞台 東海大相模高校3年 小笠原慎之介さん・吉田凌さん
２０１５年夏、相模原を最も盛り上げた出来事の一つ、東海大相模高校野球部の甲子園優勝。その優勝の立役者で、「2枚看板」と評されるエースの二人。小笠原慎之介投手は中日ドラゴンズ、吉田凌投手はオリックスバファローズで、今年それぞれプロ野球の世界に挑む。現在の心境やプロの世界での抱負、お互いのことなどを語ってもらった。
―まずは、ドラフト会議を振り返って感想を。
小笠原 自分は早い段階で呼ばれたのでほっとしましたが、吉田が呼ばれず、自分の時よりも緊張していました。ドラゴンズは、選手層が厚く、伝統のあるチームだと思います。
吉田 小笠原が１位指名された時は自分のことよりもうれしかった。自分は呼ばれない覚悟だったので指名された瞬間は、光栄でした。オリックスは（東海大）相模ＯＢが大勢おり、しかも自分の地元。何かの縁かなと思います。
―プロに挑む心境は？
小笠原 やってやるしかないな、という気持ちですね。
吉田 日本で一番レベルが高いところ。そこを目指してやってきたんで、覚悟をもってやるしかない。
―一年目の目標は？
小笠原 開幕から試合に出て、新人王、タイトルが取れるようなピッチャーに。
吉田 自分は、怪我をしない体をしっかり作っていく中で、もちろん一年目から上で投げられたらうれしい。とりあえず体を大きくしていこうと思っています。
―プロ最初の一球はどんな球を投げたいですか？
小笠原 欲を持たないんですよね。キャッチャーのサインを見て投げます。でも、多分まっすぐだと思いますよ、自分の場合は。
吉田 小笠原みたいにガツンといけたらいいですけど。自分は一球目から（得意の）スライダーを投げると（球筋を）見られちゃうんで。際どいコースにまっすぐを。
―具体的ですね
吉田 初球なので、ちょっとまっすぐを外し気味に。打ってくれたらいいなあ、くらいのところに。
―お互いのことについて、どう思っていますか？
小笠原 吉田は、変化球主体のピッチャー。あまり口には出さずに、背中で引っ張っていく、というタイプ。
吉田 自分ではなんともいえないですけど…。３年間一番近くにいてくれた小笠原が言うことなら濃厚だと思います。小笠原は、もう気合い気迫を出して、まっすぐでどんどん押していく強気のピッチング。性格は、自分をしっかりコントロールして、自分の中で計画がたてられている。自己管理がしっかりできているなと思います。
―高校３年間では、どんなことを学びましたか？
小笠原 野球のことより、基本的な生活のことや人として知っておかないといけない常識とか、当たり前のことを監督さんからよく言われていました。
吉田 自分たちの学年は特に言われたんじゃないかな。社会に出た時に、人間性が大事だと。
―学校周辺での思い出はありますか？
小笠原 日曜の夜に外出できるんです。そのために土日の練習試合を頑張るっていう（笑）。試合終わって帰ってきて、ミーティング中に今日何食おうかな、とそわそわして。僕は今週ここ、来週はここと予定作って、いろんなところに行くタイプ。焼き肉なら『牛繁』（小田急相模原駅近く）によく行きました。あまり大人数で行きたくないんで２、３人で。七輪を独り占めしたいんで（笑）。
―量は食べるんですか？
小笠原 質より量ですね。
吉田 小笠原は本当すごいですよ！自分はおなかいっぱいだな、そろそろアイスぐらい挟みたいなあって時に、小笠原はまだ肉をドーンといくんで。
―投手で良かった、辛かったということは？
小笠原 自分が投げて勝った試合は一番うれしいです。負けた時は自分で背負い込む。負けたから、もっと上をめざす。
吉田 野球はピッチャーが投げないと始まらない。わずかな人しかできないような良い経験ができています。
―10年後の自分はどうなっていると思いますか？
小笠原 体が引き締まってるのかな。あと日本を代表するピッチャーになってるかなっていうのは。（昨年Ｕ-18日本代表に選ばれ）代表は背負うものが違う。（２位だった）今回は後悔してるんで。なんとしても次は世界一を取りたい。
吉田 体を大きくして、オリックスといえば吉田だ、というピッチャーになれるように頑張っていきたい。
―相模原市民に一言お願いします。
小笠原 同じ県民として、応援していただくのはありがたかったです。
吉田 自分は兵庫から来てこっちのことは全然わからなかったんですけど、熱く応援してくれて感謝しきれない。甲子園と国体の優勝で恩返しできたと思います。
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