壁画に残る「地域交流の形」 小山田トンネルアートプロジェクト
「暴走族などの落書きからトンネルを守り、暗い雰囲気を明るくする」ために発足した桜美林大学の学生によるプロジェクト(主催・町田市青少年健全育成忠生第二地区委員会)がこのほど、壁画作成を完了した。
「小山田隧道」は常磐町から小山田桜台に抜ける桜台通りにあるトンネルで、地域住民は以前から心無い落書きに悩まされていた。
町田市青少年健全育成忠生第二地区委員会(齋藤彰会長)は「落書き防止とトンネル美化」を求め、全長45mのトンネル西側の壁画作成を地元の小山田中学校と桜美林中高に、東側を桜美林大学へ依頼、西側は昨年中に完成し、東側を2月18日よりスタートさせた。
上田遥さん(造形デザイン専修3年)を中心に、巨大ポスターやツイッターなどのSNSを駆使した事前の働きかけにより、学群や学年を超えて集まった学生スタッフは延べ300人以上。過半数がペイント初体験だったが、最後には慣れた手つきで作業していた。
「スキップしたくなるようなトンネル」をコンセプトに、丸や三角などの基本図形を「下から湧き上がるように」「流れるように、弾む感じに」デザインし、明るくカラフルなものにした。天井は透き通るような青空をイメージ。作業中通行する住民からも「とても明るくなり嬉しい。ありがとう」と声がかかった。
落書きを消すために過去に何重にもペンキが上塗りされたため、色が乗らなかったり、マスキングテープで上のペンキがはげたりと「想定外の苦労」があったという。雪やトンネル内の気温の低さにも苦しめられたが「健全育成委員の方々が温かいお茶やスープなどを差し入れてくださり、とても嬉しかったです。通行人のケアやペンキの配合などもしてくれて、委員の方々がいなかったら成功しなかったと思う」と上田さん。住民と学生の地域交流の形が明るいトンネルとなって地元に残った。
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