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町田 人物風土記

公開日:2021.03.18

草木染や藍染作家として市内の古民家で初めての展示会を開く
永井 ゆずりさん
 鶴川在住 

 ○…小さいころから深い青色が好きだった。それが藍色と知ったのはもっと成長してからだ。2019年から草木染や藍染作家としての活動を開始し、初めての展示会をこの春に開く。じっくりと時間をかけて行う手仕事の貴さや自分の思いを作品に込める。「天然の素材に自然の染料で染める。大量生産されたものではない、色の向こう側にあるものを感じてもらえたら」

 ○…長野県で生まれ、幼少期はパプアニューギニアで過ごす。姉、兄を持つ三兄弟の末っ子で、はだしで駆け回るほど活発な子だった。「物作りも好きでしたね、トイレットペーパーの芯とかを使って」と笑う。中学2年のときに町田へ移り、高校はインターナショナルスクール。ハワイの大学へ進み、卒業後1年間はインターンとして働いた。ハワイで過ごした5年間でやりたいことはすべてやり切った。

 ○…帰国後、母親が営む英会話スクールを手伝いながら次に進むべき道を探った。自分のことを完璧主義者で、物ごとをとことん追求する性格と分析する。これからの人生、長い時間をかけて取組めるものは何かと考え抜き、まったく知識のなかった染め物の世界に飛び込んだ。何もかもが手探り状態で、ときには不安にかられ、己の心の弱さとも対峙した。

 ○…染め物について学ぶうちに素材づくりにまで手を広げることに。季節を肌で感じながら畑で綿を育て、繊維から糸を紡ぎ、染め物を経て布にする。同じ染料でも配合によって違う色になる不思議さにも魅了された。作業に没頭すると時間という概念が消え、心が穏やかになることに気づいた。「色を通して向き合ったのは自分。まだまだ未熟な部分も含めて、今ある自分のストーリーを作品から伝えたい」

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