中町の町田市子ども発達センター横に野外展示されているデゴイチ(D51型862号蒸気機関車)に皇室から送られたものの金属が使用されている可能性があることを示す資料が見つかった。このデゴイチの管理・整備にあたる「町田市D51型蒸気機関車保存会」が昨年発見したもので、「知られていない情報。公開されている資料を修正していきたい」と同会はしている=関連記事あり。
皇室から送られたものの金属が使われていると考えられているのは、蒸気を逃すために屋根につけられる安全弁。昨年、同会の鹿島晃さんが探し物をしていた際、車両についての情報が記録された記録簿を発見。「御下渡金属により製造した安全弁を使用。不敬に扱うな」といった内容が記載されていることが分かり、「特殊な金属が必要なこの弁には他の地域で皇室ゆかりの品のものを使用したケースがあることを聞いていたので、このデゴイチにも使われている可能性は高いと思っていた」と鹿島さん振り返る。
このデゴイチがつくられたのは1943年。蒸気機関車の製造にあたり金属を集めていたものの、当時は第2次世界大戦開戦中の物資不足の時代。十分に集めることができず、「皇室から送られたものの金属を使用したのではないか」と同会は考察。「可能性ある」とし現在、配布しているデゴイチの紹介資料やウェブサイトの情報を修正しているという。
長野県から
このデゴイチは武器などの貨物輸送を目的として作られると、長野県を中心に28年間運行。引退のタイミングで市民や旧国鉄職員の働きかけで町田市へとやってきた経緯がある。資源不足の時代に少ない材料で製造された蒸気機関車。他のものとは違うつくりが見られるといい、鹿山さんは「珍しい車両だからこそ、町田市に展示したかったのかもしれない」と話している。
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