町田 トップニュース社会
公開日:2025.07.24
保育士不足 町田でも
市、関連団体など対策急ぐ
全国的に保育士が不足している。厚生労働省の資料によると、今年1月の保育士・有効求人倍率は全職種の3倍近くに及び、町田市内の保育所でも保育士不足が慢性化しているようだ。市によると各園共、東京都が定める配置基準を満たす保育士数は確保できているものの、多様な保育ニーズに応えていくための人材が不足しているケースが多いという。市は町田市法人立保育園協会などと共に対策を急ぐ。
厚労省のデータでは今年1月の保育士・有効求人倍率は3・78倍。全職種1・34倍の3倍近くの値となっている。有効求人倍率は求職者1人に対して何人分の求人があるかを示し、その倍率が高い場合は応募者が集まっていない状況ということになる。町田市も同様の傾向にあり、保育士の募集に関わる市によると、市内の各保育所では都が定める配置基準を満たす保育士数は確保できているものの、延長保育や一時預かりなどの多様な保育ニーズに応えていくために必要となる人材が不足しているという。
その要因の1つに挙げられるのが人材が定着しないことだ。東京都が公表している2022年度の東京都保育士実態調査によると、保育士の退職理由は「給料が安い」が6割以上を占め、次いで、「仕事量が多い」「労働時間が長い」と続く。保育に関わる株式会社ポートエモーション(森野)代表の高橋豊さんは「保育士は子どもの命を預かる責任の重い仕事。日々プレッシャーにさらされることも人が定着しない理由になっているのでは」と指摘する。
見学ツアーなど
市は保育園協会と共に対策を進めている。保育士資格を保持している人などを対象に市内保育園を見学するツアーを組むほか、離職を避けるためなどに、保育士が相談しアドバイスを受けられる時間を設けたりしているという。先の実態調査にある都内における保育士就業意向のアンケートへの回答では、「雇用の条件さえ合えば、働きたい。又は保育の仕事に転職したい」が6割を超えている。
2025年問題
一方で今年は子どもの減少に伴い、定員割れする保育施設が増えていく年になるという声が聞かれる(保育の2025年問題)。「保育士余り」につながるもので、待機児童の解消を図るため、保育所を増やした23区などでは既に保育施設に空きが出てきたところがみられているという。子どもの数が増えている町田市もいずれ、その可能性が高まっていくと考えられるが、市は「保育に関する新たな制度も始まることから、町田では当面、保育園の利用者数が大幅に減少する見込みはない」とコメント。ポートエモーションの高橋さんは「少子化対策が大切になってくる。出産に焦点をあてた取り組みを実施し、子どもの数が増えていけば、保育士余りは起こらないと思う」と話している。
ピックアップ
意見広告・議会報告
町田 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!










