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公開日:2025.08.07

寡黙な主将、強打引き出す
日大三野球部 夏制する

  • ▲夏の西東京大会を制し、歓喜にわく日大三ナイン

  • ▶甲子園では「一戦一戦、全力を尽くしたい」と話す本間さん。姉2人が日大三に通っていたことが高校を選ぶ理由になったといい、「共に吹奏楽部の部長を務めていました」

  • 甲子園ではその舞台に立てることに感謝しながらプレーしたいと話す三木監督。「私は選手の邪魔をしないようにするだけです」

 日本大学第三高等学校(図師町)硬式野球部が先月、夏の全国高校野球・西東京大会を制し、2年ぶり20回目の甲子園出場を決めた。立役者の一人となったのは寡黙な主将。昨年、決勝戦で敗れた悔しさを原動力にチームを引っ張った。

 日大三の強打が光った大会だった。4回戦から、3試合連続で二けた得点し、それぞれコールド勝ちすると、接戦となった準決勝では最終回にホームランが飛び出し逆転勝ち。決勝戦ではそれまで失点のなかった相手に対し、強打を集中させて8得点。2年ぶりの優勝をもぎ取った。

 立役者の一人となったのは、主将としてチームを引っ張ってきた3年の本間律輝さん。決勝戦では3番打者として先制から逆転、追加点の一打を放ち、5打数3安打の5打点と活躍。勝負強さをみせた。

 本間さんは「みんなが塁に出てくれたからこその打点。昨年、負けた悔しさを果たせてよかった」と笑顔をみせる。

戸惑いも

 昨年の夏大会では決勝戦で敗れた日大三。新チームの主将に本間さんが選ばれると周辺には戸惑いもあった。1年の頃から試合に出場するなど、その実力は周囲に認められていたものの、黙々と練習に打ち込むタイプ。強いリーダーシップを発揮する選手がいるなか、寡黙な本間さんが選ばれ、同学年でマネージャーの末永友海映さんは「当初は大丈夫かなと思った」と振り返る。

 ただ、豊富な練習量を誇る本間さんが主将に就くと、その背中を見て周囲もより多くバットを振るように。全体練習後に各自練習に励む時間も増え、本間さんは「うちの練習の7割はバッティング。豊富な練習量が自信を生んでくれたからこそ、勝負強さも身についたのだと思う」と粘り強い強打のチームが生まれた背景を話す。

先輩のために

 一方で本間さんの力となってきたのが、昨年の悔しさ。当時は1番打者として活躍したものの、先輩たちを甲子園に連れていけなかったことが心残りだったといい、その無念を晴らしたいという思いでこの1年を過ごしてきたという。そんな姿を見てきた末永さんは「本間はすごい変わった。先輩たちのために、とみんなを引っ張ってくれた」と頼れる存在となった主将をたたえる。

 三木有造監督は「律輝はキャプテンタイプではないかもしれないが、しっかり練習をする選手。律輝に主将になってもらいたいという思いが強かった」と笑顔。そして、2年ぶりの優勝に対しては「みんなよくがんばってくれた。試合を重ねるごとにチームが1つになり、まとまってくれたことが勝因と思う」と話している。

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