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公開日:2025.08.14

不登校中学生に特例校
今年度 市が山崎に開設

  • ゆめのきが開設された教育センター

 学校に通えなくなった中学生の実情に寄り添う新たな学びの場が今年度、町田市に開設された。「学びの多様化学校分教室ゆめのき」と名付けられたこの教室は、市立山崎中学校を本校として市教育センター(山崎町)内に設けられ、登校時間の柔軟化や少人数制授業を行うなど、生徒一人ひとりの状況に応じた授業が行われている。

 「学びの多様化学校」とは、学校に悩みを抱える生徒の実情に寄り添った教育課程を編成する、いわゆる「不登校特例校」にあたる。町田市では2022年度に検討委員会を立ち上げ、26年度の本格的な開設を目指して準備を進めてきた。ゆめのきはその先行モデルとして、世田谷区や調布市などに続く都内で7例目となる。これまで町田市で不登校となった中学生は在籍校に所属しながら、「町田市教育支援センター」と呼ばれる場所で授業を受ける形が取られてきたが、ゆめのきへは山崎中学校に転校する形での入学となる。

 ゆめのきには今年度、中学1年から3年までの12人が通っている。授業開始時刻を通常よりも遅い午前9時に設定し、学習内容は標準の教育課程に基づいて進められている。場合によっては放課後に個別の学習支援も行われ、町田市教育支援センターに常駐するスクールカウンセラーなどが生徒の現状や思いを把握し、どのような教育環境がその子にとって適切かを判断する時間も設けられているという。

 教室の愛称「ゆめのき」は、通っている生徒たちによる投票で決定されたものといい、「自分の夢や可能性を育てる場になってほしい」という思いが込められている。

 市の担当者は「どんな形であればその子が学び続けられるのか、複数の選択肢を提示することが重要と考えている。ゆめのきは学び直しの場としても位置づけている」と話し、キャリア教育や社会性を育むプログラムも整備するなど、安心して通える学習環境づくりを進めていきたいとする。

増加傾向

 分教室設置の背景には、不登校児童生徒の増加という現状がある。町田市では23年度、不登校の児童生徒数は1378人となり、前年比で25・8%増加した。国内でも不登校の生徒は増加傾向にあり、各地で対策が進んでいる。

 市の担当者は「通っている子どもたちに合わせて『やることを変えられる場所』でありたい。教育のかたちは子どもに合わせて変えていくもの」と話す。ゆめのきでは1学期を終えた現在、行事への参加も含め多くの生徒が「がんばって来ることができている」と感じているという。

9月に説明会

 ゆめのきへの次回入学は来年度の4月が予定され、9月4日(木)に入室説明会が開かれる。

 対象は町田市内在住の小学6年生から中学2年生までで、不登校またはその傾向にある児童生徒とその保護者が対象となる。参加は事前申し込みが必要で、定員に達し次第受付を終了する。問合せは市教育支援センター【電話】042・793・5298へ。

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