南浅川町にある圏央道「高尾山インターチェンジ(IC)」が開通し今年、10年になる。節目にあたり建設の様子や名称の由来などを当時の担当者に聞いた。
相武国道事務所に聞く
国土交通省関東地方整備局相武国道事務所と中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)東京支社が共同で事業を進めた圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の高尾山ICから八王子JCTまでの延長2キロメートルは2012年3月25日に開通した。
開通する前の08年から10年にかけて高尾山ICと接続する八王子南バイパスの事業を担当していた相武国道事務所の山田寛雄計画課長に話を聞いた。「写真を見ていただくとわかりますが高尾山ICは山と山の間にできています。その工事は苦労がありました」。国道20号と近接していることや、谷や川もあり作業を進めるのは地形的にも大変厳しかった。また国道20号を切り回しながらの施工となったため、工事に時間を要した。結果、高尾山ICから八王子JCTまでの開通は、「当初予定より完成が2年延びました」と振り返る。
名称にエピソード
名称決定についてはこんなエピソードがある。相武国道事務所とNEXCO中日本東京支社八王子工事事務所では当初「八王子南インターチェンジ」という仮称を付けていた。インターチェンジ等の名称については何より「わかりやすさ」が重視され、その上で複数の過程を経て決まるものという。山田さんは「高尾山」の名称になったのは地元等の意見も考慮して、決められたと考えている。「実は、インターチェンジ等の名称は基本的に『地名』が付けられます。圏央道にインターチェンジ、ジャンクションの数は50以上ありますが、あきる野、日の出、相模原愛川、海老名など全て市町等の名称。市町等の名称が入っていないのは高尾山ICのみなんです」。異例となった高尾山ICの名称決定は、高尾山が全国区の知名度がある観光地であることはもちろん、地域住民らの意見も大きく反映されてのものとなったようだ。
高尾山IC開通から2年後に圏央道は相模原愛川ICともつながり、利便性が一気に向上した。インターチェンジ近くの観光駐車場では「それまで八王子、多摩などの地元ナンバーや埼玉方面からの利用者がほとんどだったが、湘南や小田原方面から来る人がだいぶ増えました」と話す。地元経営者は「建設にあたり苦労や問題があったかもしれないが、観光についての地元への経済効果は計り知れないはず」と話した。
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