エッセー『私、舞台を降りない!』を出版した“車いす女優” 萩生田(はぎうだ)千津子さん 中央林間西在住 64歳
「お互い頑張りましょう」
○…車いす生活を通して感じ、学んだ生き方を綴ったエッセー集『私、舞台を降りない!』(駒草出版)を先月出版した。インパクトのあるしかめっ面の表紙はお気に入りの一枚だ。34歳のとき、不慮の交通事故で頸髄を損傷。一生寝たきりを宣告されたが、リハビリを重ね”車いす女優”として1年後舞台に復帰した。「昔の連載だからカッコよく直そうと思ったけれど、ありのままが良いみたい。感動してほしいんじゃないの。読むことで何か感じてもらえたらそれでいい」とクシャっと笑う。
○…40年ほど前に劇団文学座に入団。舞台、映画、テレビなどで活躍した。29年前の事故で一時女優を諦めようとしたが、劇団時代の恩師の「残されたものを生かせ。声で語れ」の言葉で復帰を決意。家族に支えられ、現在も語り部や講演、演技指導などの活動で全国各地を飛び回っている。「本当に好きなことであれば方法や手段が違っても、いくら大変でも必ずいつか実現できるんです。私だって”もう一度与えられた命”で女優になれたから」と力強く話す。
○…山形県上山市出身。長女は漫画家、次女は自身と同じく女優の道を歩んでいる。現在は30年連れ添い、支えて続けてくれたパートナーと次女との3人暮らし。家族には怒らず、思いっきり褒める。意味なく「頑張れ」も言わない。「頑張っているのに『頑張れ』って私も言われたくないから。だったら『お互い頑張りましょう』がいいわよね」とにっこり。
○…毎日を明るく楽しく過ごすコツは、自分の命と体に感謝し「今日もありがとう、明日もよろしくね」と自分を褒めてあげること。「褒めるって癒しになると思うの。自分にとっても相手にとっても」。理想のおばあちゃん像は、どこの子なのか知らないけど褒めるときは褒める、怒るときはガツンと怒れる人。そんな昔ながらの地域のおばあちゃんになりたいと微笑む。
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