当確の報を受け、喜ぶ太氏（右）と妻のまどかさん
第49回衆議院議員総選挙の投開票が10月31日行われ、大和市を含む神奈川13区では、２度目の挑戦となった立憲民主党新人の太（ふとり）栄志（ひでし）氏（44）が、自由民主党前職の甘利明氏（72）を退け、小選挙区での議席を獲得した。小選挙区で敗れた甘利氏は比例区で復活当選した。13区の投票率は55・77％で、２０１７年の前回の衆院選に比べ５・１ポイント増加した。
甘利氏は比例復活
日付が変わった11月１日の深夜０時過ぎ。太氏の「当確」が報じられると、待ちわびた支援者らの歓声で、市内の事務所は埋め尽くされた。スーツに赤いネクタイ姿の太氏が現れると拍手で出迎えられ、万歳で喜びをわかち合った。
初当選の太氏は「５年半、とことんコツコツ地域活動を続けてきたことが支持された。今日の日を見据え『チーム太』として草の根で結集してきた市民パワーが結実した」と喜びを語った。
今後の取り組みについては、コロナ禍で生活や子育てに苦しんでいる人々の支援強化と自身が専門としている外交安全保障政策などをあげた。
｢逆転の一票｣
太氏は、選挙期間前から13区にちなみ、区内13カ所で13時間同じ場所で活動する｢マラソン遊説｣を実施。選挙期間中も３日間これに充てた。太氏は「より幅広い声を聴くことができ反応も良かった。また対立候補との差別化の面でも有意義だった」と振り返る。
公示直前には、野党共闘で候補者の一本化が実現。太氏も「１対１の構図に持ち込んだことが大きかった」と勝因の一つに挙げた。
さらに選挙戦終盤に甘利氏が地元入りしたことや直前の出口調査で、接戦あるいは太氏逆転の報道が示されたことで、一気にメディアに取り上げられ、にわかに全国でも注目の選挙区となったことが、浮動票の獲得を目指す陣営の支持拡大につながった。
選挙運動最終日には、演説会場で｢逆転の一票｣を求めるシュプレヒコールが起こるなど、盛り上がりが、そのまま投票結果に表れた形となった。
訴え届かず
太氏の小選挙区当選から程なくして、比例区による復活で、甘利氏の13回目の当選も決まった。主のいない事務所は、受け入れ難い現実に戸惑いつつも、少しの安堵で満たされた。
甘利氏の比例復活当選は、１９９６年（小選挙区は冨沢篤紘氏＝当時新進党)、２００９年(同、橘秀徳氏＝当時民主党）以来３度目。
自民党幹事長として全国の候補者の応援に飛び回る予定だった甘利氏は、自身の苦戦が伝えられると、急きょ選挙戦最後の３日間地元に入り支援を求めた。最終盤には連立を組む公明党の参議院議員らが応援に駆け付けるなど追い上げを図ったが、劣勢を跳ね返すまでには至らなかった。
選対本部長を務めた大和市選出県会議員の藤代優也氏は「初めての与野党一騎打ちですべてが手探りの選挙だった」と振り返った。
小選挙区で敗れた甘利氏は、党幹事長を辞任した。
トレードマークの赤いラガーシャツで街頭に立つ太氏
|
本人不在の事務所で敗戦の弁を述べる陣営幹部ら＝10月31日深夜
|
街頭演説で支持を訴える甘利氏＝10月28日
|
|
|
|
＜PR＞
大和版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
