小品盆栽愛好会の会長を務め、このほど「小品盆栽展」を開いた 甲斐 茂男さん 中央林間在住 82歳
優しく丁寧に緑愛でる
○…小品盆栽愛好会の会長になって約1年が経過し、自宅には、70以上の盆栽が並んでいる。このほど開催した「小品盆栽展」では「盆栽の魅力を発信したい」と会員らの力作30点を並べ、来場者を楽しませた。現在は10月の開催に向けて「より多くの人に見てもらいたい」と準備を行っている。「盆栽は生きているので手間暇がかかる。ただ、何年もかけて満足できる作品ができた時はうれしい」と活動のやりがいを語る。
○…大阪府で生まれ、太平洋戦争の影響で大分へ移住した。幼少期は木登りが得意な活発な子どもで、小学生になると放課後に近所の川でよく魚釣りをしていた。中学生になった頃にテレビが普及し始め、画面に映る野球やプロレスの選手に夢中になった。高校時代は、自転車で片道1時間の道のりを通った。「帰り道に川沿いの土手を滑って遊んだのはいい思い出」と目尻を下げる。
○…卒業後は上京し、家具製造の会社で資材調達を行っていた。「宮内庁の家具を担当したこともあった。おかげで一生ものの自慢話になった」と笑顔。定年退職後に、元々興味を抱いていた盆栽を始めようと愛好会へ入会した。「ずっと材木を扱っていたが、盆栽に一変した。入会したての頃、講師の方から『小さく育てて、大きく見せる』と教わり、その教えは今でも大切にしている」と朗らかに語る。
○…趣味は記録で、盆栽の購入日や入手先などを細かく記した手帳を見せてくれた。「数字が好きで、盆栽以外のことも記録を取っているよ」と楽しげに笑う。5人の孫にも恵まれ、孫と会うことが一番の楽しみ。「庭の植物を見て喜んでくれる」と頬を緩める。孫の笑顔を見るために、小さな植物たちを丁寧に育ててゆく。
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