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大和 人物風土記

公開日:2025.03.21

鍛金彫刻家として大和中学校で講演した
安藤 泉さん
南林間で制作活動 75歳

親しまれる彫刻を

 ○…「若い人たちに向けて何を話そうか悩んだ」。母校の大和中学校を訪問し、全校生徒の前で講演を行った。芸術家を目指すようになったきっかけを明かしたり、手がけてきた作品などをスライドを用いて紹介した。中学校を卒業して60年。後輩へ向けて「好きなことは自信を持って取り組んでほしい。応援してくれる人には感謝の気持ちを忘れず頑張ってもらいたい」とエールを送った。

 ○…芸術家の世界を意識するようになったのは小学5年生の頃だった。「先生から見せてもらった世界の名画集に衝撃を受けた」。当時は死に対して恐怖心を抱いていたというが「芸術家は生きた証拠を残すことができるんだ」と憧れた。中学生のとき、技術科の教諭に「社会の役に立つ人間になれ」と言われ背中を押された。

 ○…芸術家の道を歩むことを決めた。東京芸術大学に入学し、耐久性のある金属を加工する鍛金を専攻した。主に動物をモチーフにした彫刻を手がけていて「子どもでもお年寄りでも親しみがあり、分かってもらいやすい」と笑顔を見せる。大型彫刻を手がけるようになったきっかけは、1982年に開催された第2回「高村光太郎大賞展」のとき。「5mの作品があったら面白いと思って。試行錯誤しながら約半年かけて制作した」と振り返る。

 ○…現在、手がけた作品は日本各地に設置されている。市内にも野外彫刻があり、大和スポーツセンターの『牛跳び』は代表作の一つ。南林間駅前の『陽だまりの林』は妻で鍛金彫刻家の井上なぎささんとの共同作品。「親しんでもらい、残したいと思ってもらえる作品を目標にしている。今後は自分のペースでじっくりと創りたい」と制作意欲は尽きない。

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