タウンニュース座間編集室では、2020年の年頭を飾る企画として遠藤三紀夫座間市長に新春インタビューを行った。全国的に人口が減る中、座間の人口が初めて13万人に達したことを喜び、子育て支援や居住環境の整備充実が功を奏したのではないかと話した。今年の事業としてキャンプ座間返還地の整備や東原の桜並木の再生事業の推進などを挙げた。
――お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まずは2019年を振り返り感想を教えてください。
「令和2年、明けましておめでとうございます。昨年、平成から令和へと元号が改まり、皆様におかれましては新たな気持ちで新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
13万人都市に
私が嬉しく思ったのは、予測に反して市の人口が増え、13万人を超えたことです。全国的に人口減少が進む中、座間市を居住の地として選んでいただいた方が多かったということ。子育て支援や居住環境の整備充実が評価していただけたのではと思います。
安心して暮らしていただくために防災・減災の面でも派手さはないものの着実に実績を積み重ねてきました。ハード面では消防庁舎を新しく建替え、旧消防庁舎も防災備蓄倉庫として活用するなど進めてまいりました。
子育て施策
子育て支援に関しては、2018年に市庁舎2階に『ネウボラざまりん』として子育てに特化した部署を集め、子育て世代の方の利便性を高めてきました。その中でも象徴的なものとして、2019年4月に完成した小田急相模原駅前西側再開発ビル内に「子育て支援センター」を拡充移設。また民間保育園の開園、12月には市民交流プラザ『プラっとざま』の開所もありました。それ以前にも座間駅前に子育て支援センターを開設するなど、派手ではないけれど寄り添うような事業を着実に進めてきたことが良かったのではないかと思います。
生活基盤の充実
ほかに総合病院の開業や大型商業施設の進出など、これまで座間になかった生活基盤・インフラが新たに加わったということは『住む』という観点から価値を見出していただけたと思います。近隣に比べると住宅価格などもリーズナブルなこともあると思います。
道路、都市基盤整備については座間市東側の相模原市、大和市との市境に都市計画決定されている相模原二ツ塚線の道路整備は、県の施工により小田急相模原駅から県道50号座間大和線までの区間が一部完了し、また小松原交差点の改良工事が完了し交通渋滞はかなり改善されています」
台風19号 今後の教訓に市長選、任期まで全力を強調
――座間市の魅力とは何だと思いますか。
「座間市は約17平方Kmのなかに13万人が住むコンパクトなまちです。しかしその中に変化にとんだ自然景観、例えば谷戸山があり、水田地帯も広がり、一方で交通の便も悪くない。大凧まつりといった伝統的な祭りや、地域の人たちががんばってくれている『ひまわりまつり』もあり、ユニークな中に多様性もあるまちだなと思います。とにかく、『住んでよかったと思えるまち・座間』を実現するために進んでいきたいです」
防災・減災
――2019年は台風15号、19号で倒木など被害がありました。
「台風19号のときは、市制始まって以来初めて災害対策本部を立ち上げました。考えなければいけないことが多々ありました。19号の時は土曜日・日曜日でしたが、それが平日だったら通常業務はどうだったか、保育園の休園はどうすべきか、避難勧告の判断もありました。『流域防災』の観点から県などと協議をしながら、改めて今後的確な対応はどうすべきなのかを考えなければならないと思います。また市民の皆さんに情報をどのように伝えるか、公共交通機関の計画運休の中での職員の参集、避難所利用の理解など考えなければならないことが多々あることもわかりました。市民の皆さんや職員の意見を集約し、防災計画やマニュアルの改善などに活かしていきたいと思います」
――2020年の主な施策について教えてください。
「キャンプ座間一部返還地有効活用については、最後の仕上げとして、隣接する大坂台公園との一体化を図りながら公園整備を進めます。具体的には、9ホールのパークゴルフ場と、フットサルなどの多目的に利用可能なスポーツスペースの造成です。完成は2022(令和4)年3月頃の予定です。
先ほどお話したように、新しい消防庁舎がキャンプ座間一部返還地に竣工し、すでに稼働を開始しています。また旧消防庁舎は総合防災備蓄倉庫として活用しています。今後、旧消防訓練場跡地を災害時の緊急援助隊受け入れスペース、あるいは市民体育館利用者向け臨時駐車場に活用していく予定です。
街並み整備
一昨年度から5年計画で着手している東原の桜並木の再生事業は、『仲よし小道再生整備基本構想』に基づき、老木化が進んでいる桜を再生するとともに、自転車専用通行帯を設置し、『安全で新たな景観を備えたみち』として、これまでと同じように市民の皆さんに愛される桜並木として再生できるよう、引き続き事業を進めてまいります」
――2020年9月で任期満了になります。次の市長選について教えてください。
「私の3期目の任期は残すところあと9カ月。これまでの取組を振り返りながら、現在、2020(令和2)年度の予算編成に取り組んでいます。今年も創意と工夫を凝らし、わがまち座間の身の丈にあったまちづくりに邁進し、任期まで全力で駆け抜けてまいります」
――市民に向けて、メッセージをお願いいたします。
「2012(平成23)年4月にスタートした第四次座間市総合計画基本構想の計画期間も、あと1年を残すのみです。これまでの取組を振り返りながら、引き続き、本年も『ともに織りなす 活力と個性 きらめくまち』の実現に誠心誠意尽くしてまいりますので、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」
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