♯みゅーじっくコラム♭ 音楽の森 ピアニスト 倉本 卓
皆さんはウラディミール・ド・パハマンというピアニストをご存知でしょうか?
1848年ウクライナで生まれ、ウィーンで研鑽し、後に大作曲家フランツ・リストからも学んだ名ピアニストです。私は昔の演奏家の録音を聴くのが大好きで、20世紀初頭に録音された音源からは、特に大きな影響を受けました。その中でこのパハマンの演奏は、現代のピアノのスタイルと多少違いますが、歌心、遊び心が随所に散りばめられていて気に入っています。録音の中にパハマンの呟きのような独り言のような声が混じっていますが、このパハマンというピアニストは演奏しながら呟く奇行があったそうです。グールドの歌いながら弾いている姿も有名ですが、パハマンは何か言葉を発しています。フランツ・リストに学んだパハマンですが、ショパンを得意とし、リストはパハマンの演奏を「まさにショパンの演奏を再現している」と言ったそうです。
そんな大ピアニストで奇人のパハマンの裏の顔をちょっとご紹介しましょう。指の訓練に牛の乳搾りが良いと考えた彼は牧場を経営、搾乳した牛乳を入れる紙パックまで発明したそうです。やっぱり普通の人じゃありません。
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