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公開日:2026.05.22
老人ホームに本物の”バス停”? 「ここで待てば帰れる」徘徊や事故の防止に
エフィラグループが運営する特別養護老人ホーム「愛和の里」(愛川町田代・林政信施設長)が5月19日、神奈川中央交通株式会社厚木営業所から廃止バス停標識の提供を受けた。認知症高齢者の不安軽減と安全確保を目的に、施設内に設置する予定だという。
寄贈されたバス停は、実際に活用されていた本物の標識だ。ただし、当然ながらバスは停まらない。
この「バスの来ないバス停」は、ドイツで始まったとされる認知症ケアの一つとして知られ、「罪のない嘘」と呼ばれる取り組みを採用したものだ。
帰宅願望のある認知症の入居者は、施設を出て交通機関で帰ろうとして、迷子になってしまうことがある。また、無理に引き留めることで混乱につながるケースも少なくない。そこでバス停という馴染みのある環境を提供することで、「ここで待てば帰れる」という安心感を与えることが目的だ。国内でも名古屋市内の特別養護老人ホームがJR東海バスから廃止バス停の寄贈を受け、不安軽減や徘徊防止に活用しているという。
この試みを知った愛和の里のスタッフが、認知症の入居者への対応として自分たちの施設でも出来ないかと考え、神奈川中央交通株式会社にバス停の譲渡を打診。同社の協力を得て今回の寄贈につながった。
同施設ではバス停の隣にベンチなどを設置し、気持ちを落ち着かせながら、安全に過ごせる環境づくりを目指していくとしている。林施設長は「地域で役目を終えたバス停が、今度は高齢者の安心につながる存在になればありがたい」とし、「入居者の自由を守りながら、安全と事故防止に役立てていきたい」と話している。
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