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厚木市 新たな日常の実現へ 新春市長インタビュー

政治

公開:2021年1月1日

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小林常良厚木市長
小林常良厚木市長

 2021年の幕開け―。新型コロナウイルス感染症の拡大により「新たな生活様式」が求められ、人々の生活も大きく変わった。1年遅れのオリンピック・パラリンピックイヤーとなり、厚木市もホストタウンとして役割を果たしていくことになる。本紙では小林常良市長から新総合計画をはじめ、市民を感染症から守りつつの経済活性化など、新春恒例のインタビューを行った。           (聞き手/本紙編集長 勝浦勝)

 --明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルス感染症(コロナ)の拡大で、大きな変化の年となりました。まずは昨年を振り返り総括をお願いします。

 昨年は市政運営のテーマに「大輪」の二文字を掲げました。「大輪」は、人と人とのつながりで生まれる大きな人の輪を意味し、開催が予定されていた東京五輪を契機に、国内外との友好の輪を大きく広げていこうという思いも込めていました。

 しかしながら、世界的な感染症の拡大により、私たちは身体的な接触を避けながら過ごさなければなりませんでした。厳しい状況の中、今もなお最前線で戦う医療従事者や関係者の皆さまに、深く感謝申し上げます。

 --経済や市民生活のための政策も多かったですね。

 コロナ対策として総額29億円を超える補正予算を組み、経済活性化、市民の命を守る取り組みを推進してきました。企業などに対する経済支援や、学校・医療機関・福祉施設に必要な感染症対策や支援などです。

 そんな中、市立病院に、市民や企業の皆さまからマスクや食料など多くの寄付を頂きました。また、市民主体で飲食店を応援する取り組みも実施され、人と人とのつながりや大きな輪を感じる瞬間が数多くありました。まさに、これまでの市民協働の取り組みで育まれた絆や、支え合う気持ちの表れと感じました。 

困難を明日の希望に変えて 

 --3月に向けて21年度予算査定も大詰めとなりますが、どのような方針で予算編成を進めていますか。

 21年度は、コロナが景気にも影響し、市税収入が大幅に減ることが予想されます。コロナ対策に関する歳出の増も見込まれ、例年にも増してより厳しい財政運営が求められます。

 厳しい社会情勢の中ですが、来年度は、現在策定中の第10次総合計画がスタートする重要な年。市民の皆さまが思い描く理想のまちの姿を大切にしてまちづくりを推進していきます。特に、「安心・安全への取組」「未来を担う子どもたちを育む取組」「地域包括ケア社会の実現に向けた取組」「都市基盤整備の推進に向けた取組」「コンパクト・プラス・ネットワーク型の都市づくりに向けた取組」「”新たな日常”の実現に向けた取組」の六つを柱として、予算を編成しているところです。

 --コロナ対策についてはどのようにお考えですか。また、市民に協力してほしいことはありますか。

 コロナ対策としては、感染予防啓発のための情報発信や、厚木医師会の協力によるPCR検査センターの開設など、さまざまな施策を講じてきました。今後は、終息までの継続的な取り組みと、終息後を見据えた地域経済の回復、地域コミュニティーの再構築などにも対応していきます。市民の皆さまには引き続き、小まめな手洗い・消毒・マスクの着用を含む咳エチケット、3密を避ける行動など、基本的な対策にご協力をお願いいたします。

 --1年の延期により、今年がオリンピックイヤー。ホストタウンとしてつながるニュージーランド(以下NZ)への思いをお願いします。

 昨年は、これまでの交流の仕方が大きく変わり、オンラインでの交流が中心となりました。緊急事態宣言期間中には、NZの代表選手らからも、市民の皆さまにビデオメッセージを頂くなど、改めてつながりを感じられました。

 NZチームは、大会が延期になった現在でも、厚木市で大会の準備ができることをとても楽しみにしています。引き続き市を挙げてNZチームを応援し、大会後も、これまで築き上げてきたホストタウン事業による交流の絆を大切に、さらなる交流を深めていきたいと考えています。

 --来年度予算でも少し触れましたが、第10次総合計画のスタートの年となります。その将来像をお聞かせください。

 第10次総合計画の基本構想で厚木市が目指す将来都市像は「自分らしさ輝く 希望と幸せあふれる元気なまち あつぎ」です。これには、市民の皆さまが多様性を認め合いながら安心して暮らせるまちづくりを進めていくという思い─そして、先人が守り、育んできた自然、文化、産業など、魅力ある資源を最大限に生かし、将来にわたって活気あふれるまちを目指していくという思いが込められています。

 第10次総合計画は、市民検討会議や各地区での意見交換会などを開催し、市民の皆さまからの声を聴きながら策定しました。また、市民・事業者・行政が地域のさまざまな課題を解決し、将来の厚木市を共に創り上げる姿勢を明確にするため、「大切にしたい想い」と、「まちづくりの基本姿勢」を新たに位置付けています。さらに、この将来都市像を実現するために、まちづくりの方向性として政策分野別のビジョンを設定しました。「命、財産を守り抜くまち」「支え合い、生き生きと暮らせるまち」「夢や希望を持ち、自己実現ができるまち」「人が集い、交流し、新たな価値を生むまち」「環境に優しく、自然と共生するまち」「市民と共に確かな成長を創り出すまち」の六つのビジョンを基に、効果的な施策を進めていきます。

 --昨年は市庁舎の移転先を決める条例改正案が可決されましたが、整備地となる中町第2-2地区についてお聞かせください。

 厚木バスセンター東側では、新たな施設の整備を進めています。市庁舎をはじめ、図書館、(仮称)未来館、消防本部、国県の行政機関などからなる複合施設で、あらゆる世代の皆さまにとって「いい日々、いい時間」を過ごせる場所を目指しています。今年は、いよいよ施設の基本設計を進めていきます。

 --子育て日本一を目指す厚木市。昨年は借りて住みたい街1位にもなりましたね。

 自然と都市が調和した恵まれた環境に加え、これまで重点的に取り組んできた「子育て教育環境日本一」や「安心・安全」に向けた取り組みが評価されたものと考えています。都心まで1時間かからずに行ける立地や駅周辺の都市機能、郊外の温泉やハイキングが楽しめる豊かな自然環境などは厚木の大きな魅力です。

 全国的な人口減少や高齢化に伴う人口構成バランスの変化は、厚木市も例外ではありません。この機会を逃さず、時代の変化を的確に捉え、若い世代の転入を促進する施策を展開していきたいと考えます。

 --今後のさらなる子育て施策はどのようにお考えでしょうか。

 多様化する保育ニーズに対応し、子育て家庭の経済的な負担の軽減や地域全体での子育てを推進します。その他、保育所の機能や、保育・教育内容の充実を進めるとともに、担い手となる教育・保育従事者を確保します。コロナが猛威を振るう中、保育所や幼稚園(認定こども園)、児童クラブなどは、対策を講じながら子どもたちを受け入れ続けています。感染のリスクを背負いながらも従事されている皆さまには、この場をお借りして深く感謝を申し上げます。

 --ワクチンの開発が急がれる中、新しい生活様式などがこれからのテーマになるといわれていますが、市内活性化についてお聞かせください。

 昨年は、「あつぎ鮎まつり」や「にぎわい爆発!あつぎ国際大道芸」など、多くのイベントを中止せざるを得ない状況でした。一方、経済団体と連携し「中小企業応援交付金」をはじめ、「あつ得キャンペーン」や「電子商品券事業」など、市内経済の活性化に向けた事業を数多く実施しました。

 今後は、新しい生活様式を踏まえた上で経済活動を継続していくため、市内中小企業のテレワーク導入に係る環境整備や経済の活性化に向けた取り組みを実施していきます。

 まだまだ感染症終息の見通しが立たない中ではありますが、市民や事業者の皆さまにとって必要な支援を通じ、市内経済の活性化につなげていきます。

 --最後に市民の方へのメッセージをお願いいたします。

 今年も市民の皆さま一人一人に寄り添いながら、新しいまちづくりを力強く進めていきます。私たちには、困難を明日の希望に変える力があります。コロナ禍という逆風を追い風に変え、今年も前に進んでいきましょう! 

(了)

*  *  *

※感染症対策を十分に実施したうえでインタビューを行っています。また写真撮影時のみ、マスク・アクリルガードを外しています。

※愛川町・小野澤豊町長の新春インタビューは1月8日号、清川村・岩澤吉美村長の新春インタビューは1月15日号の厚木・愛川・清川版での掲載を予定しております。
 

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