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公開日:2026.03.20
伊勢原市
「企業版ふるさと納税」攻める営業術
寄付件数が過去最多に
伊勢原市の企業版ふるさと納税が大きな転換期を迎えている。2025年度は3月9日時点で過去最多件数となる15件に達した(寄付金額累計830万円)。この躍進の原動力となっているのが、2025年4月に新設された「発想クルリン課」だ。単なる資金調達の枠を超え、市職員が自ら企業へ足を運び、課題やニーズを丁寧に汲み取る「攻めの営業」へと舵を切ったことが具体的な成果につながっている。
これまでの自治体による寄付募集は、ダイレクトメールの送付やホームページでの告知といった受動的な手法が主流だったが、同課の酒井健司課長、佐藤秀柄氏、石井苑子氏を中心としたチームは、民間企業の営業手法を大胆に取り入れた。過去に寄付実績のある企業への継続的なアプローチに加え、市内に工場や事業所を構える企業の本社へ直接出向き、執行役員などの決定権者へ直接、市の施策や寄付の意義を説明することで信頼関係の構築を図った。こうした地道な対面営業により、市の熱意に応える形で当初の検討額を上回る寄付を即決する事例も生まれているという。
独自のベネフィット
躍進のもう一つの鍵は、企業側のメリットにフォーカスした独自のベネフィット(返礼)提供だ。市は寄付の動機を詳細に聞き取り、企業が求めるPR手法を模索。その象徴的な取り組みが、石井氏が制作している約30〜40秒の企業紹介動画だ。行政が公式に発信する映像コンテンツは、企業の信頼性を高めるだけでなく、SNSでの拡散や採用活動、若年層へのアピールにもつながると高い評価を得ている。例えばプライフーズ株式会社では、地域貢献を通じて一般消費者の認知度を高めたいと願う企業の思いを、映像という直感的な形で具現化している。
さらに、市の取り組みは現金寄付のみにとどまらない。自社製品や技術を活用した「物納」による寄付も受け入れるなど、企業の強みを直接地域課題の解決に結びつける工夫も見られる。今後の展望として、2026年度には小中学校へのエアコン設置事業などの寄付募集を強化するほか、企業が自社のビジョンに関連性を見出しやすい活用事業メニューをさらに拡充していく方針だ。
自治体が単に予算を確保するだけでなく、企業と共に新しい市民サービスを創出していく伊勢原市の挑戦は、地方自治体における公民連携の先進的なモデルケースとなりそうだ。
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