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公開日:2026.05.01
伊勢原市 4者協定「国産生薬」栽培へ 農業活性化と安定供給目指す
伊勢原市と、国内の生薬生産を推進する3団体(国産生薬生産普及協会、東京生薬協会、医薬基盤・健康・栄養研究所)による「薬用植物の国内栽培促進に関する連携協定」の調印式が4月21日、市役所で行われた。この取り組みは全国で7例目、神奈川県内では初の試みとなる。
「伊勢原の花」が医療を支える
同プロジェクトで中心となるのは、伊勢原市の「市の花」でもあるキキョウ(生薬名:キキョウ)だ。生薬は現在、約9割を輸入に依存しており、その大半が中国産となっている。近年、現地での価格高騰や品質のばらつき、供給リスクが顕著になっていることから、安全・安心な「日本産」の安定確保が急務となっていた。
調印式で萩原鉄也市長は、「伊勢原には日向薬師があり、市の花も、太田道灌公の家紋もキキョウ。歴史・文化と医療施設が充実した伊勢原をPRするストーリーになる」と期待を寄せた。
これまでも秋田県八峰町など全国6自治体で同様の取り組みを進めてきた専門組織が、栽培技術の指導や優良な種苗の提供、育種技術の開発などを多角的に支援する。
耕作放棄地の解消と農業活性化栽培を実働で担うのは、一般社団法人国産生薬生産普及協会(山口寿則理事長)。山口理事長は20年来、日向地区で里山保全や生薬の「麻黄(マオウ)」の栽培研究に取り組んできた実績を持つ。
現在は市内のビニールハウスなど2カ所、約3000平米で育苗が始まっており、来年秋の初収穫を目指すという。高齢化により増え続ける耕作放棄地の活用策としても期待されており、萩原市長は「農地の適正利用と農業者の経営安定につなげたい」と語った。
キキョウの苗を育てている辻ファーム(市内串橋)の辻敦史代表は「上手くいけば拡大しやすいのでは」と話す。育った苗は日向の畑に植えられ、夏には1反に8000〜1万のキキョウが咲く予定。「山あいの農家も潤い、キキョウの花が咲き乱れ、観光でまちも賑わう。そんな未来を想像するとわくわくする」と期待を寄せた。
「出口戦略」描く
原材料の一部にキキョウを使用している「龍角散」の社長でもある東京生薬協会の藤井隆太会長は、生薬栽培の難しさについて「成分が基準を満たさなければ医薬品には使えない。5年以上の試行錯誤が必要なケースもある」と指摘。その上で「日本産の生薬はプロセスが明確で信頼性が高い。セルフケアの意識が高まる中、付加価値の高い『伊勢原ブランド』として確立したい」と、農家が安心して生産できる、売れる仕組み=出口戦略の重要性を強調した。
また、医薬基盤・健康・栄養研究所の河野徳昭副センター長は「100年かけて収集した資源と技術を現場で活用し、伊勢原ブランドとして発信してほしい」とエールを送った。
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