10月21日に愛川町議会議長に就任した 鈴木 一之さん 愛川町田代在住 72歳
常に一歩下がって
○…「地方分権が推進される中で、議会の役割は高まっている。住民参加を基本とした開かれた議会と言う点にまずは全力で取り組みたい」と第一声。常に頭にあるのは、愛川町議会基本条例だ。平成22年に検討が始まり、先進事例の視察研修や委員会での協議、意見交換等を経て今年6月に可決。同7月1日から施行された。前文には、議会の責務を明確にし、広く町民の声を聴く議会とある。「全議員の協力で作ったもの。絵に描いた餅では終わらせることはできない」と力を込める。
○…平成11年の選挙で初当選し、現在4期目。これまで議会運営委員会委員長、監査委員、副議長を務め、今回初めての議長職。「責任の重大さを痛感しています」と口を真一文字に結ぶ。10月に改選があった愛川町議会。「今では、一番高齢なんだ」と笑うが、企業誘致や観光施策などを中心に愛川町を元気にしていきたいというエネルギーに変わりはない。体が資本・健康第一を胸に、忙しい日々を送っている。
○…中学卒業後、サラリーマンだった父親のすすめで商業科のあった小田原城東高校へ進学。毎朝6時半に家を出て自転車で本厚木駅へ。「舗装の道じゃなかったし、雨の日は大変でね」。運動が得意で高校ではバレーボール部と柔道部で汗を流した。「帰る頃には腹が減って我慢できずに駅からパンをかじりながら帰ったものだ」と振り返る。
○…「常に人より一歩下がれ」が座右の銘。学生時代は周囲をガツガツ引っ張るタイプだったというが、商売を始めてから意識は変わった。「おとなしすぎるよと言われることもあるけど、やっぱり商人だから」と。趣味はゴルフ。お酒は飲まず、酒席では主にカラオケを披露。歌うのは「夫婦一生」。「声を張り上げるのは発散にもいいからね」と微笑んだ。