3月20日に定期演奏会を開く愛川高校和太鼓部の部長 伊ヶ崎(いがさき)滉(ひろし)さん 県立愛川高校 17歳
感謝、打ち込みます
○…「運動部以外にも頑張っている高校生がいることを知ってもらえたら」とにこやか。創部から10年目。先輩たちから当初は人数も揃わず、練習する太鼓もない状態からのスタートだったと聞いており、今自分たちが活動できていることに感謝の気持ちでいっぱいだ。週6日を練習に費やし、地域のイベントにも年間およそ20件出演するなど和太鼓部は地域の人気もの。大会などを含めると休みはほとんどないが「呼んでもらえることは嬉しいことです」
○…部員は男子3名、女子4名。他校と比べてもひと際少ないが、「一人ひとりが貴重な存在で、成長しやすい環境」と前向きにとらえる。一方で、新入生に期待もふくらんでいる。昨年行われた県高校総合文化祭では強豪ぞろいの中、3位にあたる会長賞を受賞。2位までに与えられる全国大会は逃したが「課題が見つかりました」と清々しい。最近では活動がテレビでも紹介されている。「少ないながらも頑張っていることではなく、演奏そのもので注目を集められるように努力するだけ」と力強い。
○…重い振動と響きとがズバッと胸に突き刺ささった高校1年の文化祭。身体全体を使った和太鼓部のパフォーマンスは躍動感にあふれ、頭から離れなかった。ちょうど、野球部を辞めて、何をしようかと迷っていた頃。友人の勧めもありバットをバチに持ち替えた。以来、家でも学校でも太鼓に打ち込む日々。熱い思いも人一倍だ。
○…自転車通学。お決まりのルートは起伏も多く、帰り道は練習で痛めつけた身体にはこたえるが、「これも体力づくり」と笑ってみせる。演奏会は対外的には活動の成果を発表する場だが、部にとっては3年生の引退と新しい代へとバトンタッチする節目でもある。地域へ、先輩へ、仲間とともに-。感謝の打ち込みを響かせる。