2年連続で関東大会に出場する厚木東高校男子バスケットボール部の監督 永田雅嗣郎(まさしろう)さん 愛川町半原在住 48歳
魂ぶつけ 熱血指導
○…前任の秦野高校を2年連続でインターハイに導いた実績を持つ。4年前に厚木東高校に着任したときの部員はわずか6人。一からのスタートだったが、ひたむきに練習に励む生徒たちをみて、不安は無かったという。「上手くなりたい、強くなりたいという気持ちが伝わってきた。大事に育てれば、必ず強くなる」。その想いに応えるように子どもたちはメキメキと成長し3年目には初の関東大会、そして今年は2回目の出場を決めた。「みんな素直でバスケが好きで、本当にいい子。でも最初はヘタクソだったよね」と愛おしそうに話す。
○…中学時代はプロ野球選手を夢見てリトルシニアに所属。部活動は「身長が伸びると思って」とバスケ部に入った。面白さを感じ始めたのは高校進学後。上達すればするほどのめり込んでいった。建築関係の仕事を目指していたが「ずっとバスケと関わりたい」と教員に進路変更した。
○…「教育は伝えるのではなく導くこと」というのが持論。生徒に自分自身の力を引き出す能力を身につけさせることが大切だと考える。ときには生徒を泣かせてしまうほど、”魂をぶつけ合う”ことも。「褒めるときは褒める、叱るときは叱る。とことん向き合って、最後は必ず許すんだ」。そんな筋の通った人柄を慕う生徒も多い。「東京消防庁に入庁した教え子が初めて人命救助で表彰されたと、真っ先に報告に来てくれたんだ」と身を乗り出して声を弾ませる。
○…映画「ファインディングニモ」の美しい世界に惹かれ、カクレクマノミを飼育中。「でもこの間残念ながら死んでしまって。お墓を作ってお線香をあげて…」と繊細な一面ものぞかせる。明日11日から始まる関東大会はインターハイへの通過点として挑む。「今までのスタイルに肉付けできる戦略を準備している」と攻めの姿勢だ。熱血教師に厚木東高バスケットマンはどう応えるか。