愛川町長就任から1カ月を迎える 小野澤 豊さん 愛川町半原在住 61歳
人に優しく自分に厳しく
○…当選同日に就任という状況。県下市町村等への挨拶まわりに、山積した事務処理等と大忙しの1カ月だった。それでも「疲れを感じる暇がないから好都合」とおどけて見せるあたりに、並々ならぬ意欲と元気が伝わってくる。町長・副町長不在が続いていた愛川町で町政の安定化は自身が掲げた最優先事項の1つ。それでも簡単ではなく、いたずらに急いではいけないことは理解している。「まずは安心感を持って頂けるよう、一日一日を精一杯務めるに尽きる」と。
○…行政経験は37年。秘書や総務といった仕事が長かった。それでも選挙を通して町民の生の声を聞き、改めて気づかされたことがある。首長はじめ、役場職員たちへの「期待」だ。励ましの場合もあれば、叱咤激励の場合もある。共通しているのは、愛する故郷を元気はつらつとした町にしてほしいという想い。就任式では「責任は私がとる。失敗を恐れず、常に発想の転換を図りながら、町民の皆さんの気持ちに立って仕事をしてほしい」と幹部職員らに訓示した。
○…「心ある町・夢ある町」。その心を問うと、「ひと言でいえば『愛川町っていいね』ということです」。安心して子どもを産み育て、老後も安心して暮らせる町が目ざす所。そのためには、アンケートでも常に不満度の高い公共交通、にぎわいに欠かせない産業振興、そして例外ない高齢化…。課題は多いが、町が一丸となることで広がる可能性もあると信じている。
○…「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら慎む」。儒学の教えがいつも胸にある。理工学部出身だが、性格は細かい方ではないといい、温厚な反面、お人好し過ぎるところがあると自己分析。学生時代は仲間の先頭に立って野球にまっしぐら。「ピッチャーだったし、もうちょっと身長が欲しかったな」と笑うが、役場のチームでも活躍し、歴は40年以上になる。好物は即答でカレーライス。