県議会議員選挙で4選を果たした 馬場 学郎さん 愛川町角田在住 67歳
昔気質(むかしかたぎ)は背中で語る
○…12年ぶりの選挙は接戦だった。精力的に地域を回り、一人ひとりに握手を求める地道な選挙戦で再選を果たしたが「まだ緊張が解けてない」と苦笑い。「愛甲郡にとって重要な施策を県政に伝え、国との連携も図る。さらなる実績を作れるよう尽力していきたい」。眼差しは、どこまでも熱い。
○…愛川町角田に生まれ、相原高校卒業後は父が牛1頭から始めた牧場に就職。牛を約100頭飼育するまで事業を広げたが、父が50歳で体調を崩し、母も60代で介護が必要な生活に。当時自身は30代半ば。働き盛りとはいえ両親の介護に3人の子育て、そして仕事と「人生で最も激動の時期」と振り返る。苦しい日々だが、追い込まれることで出る力がある。踏ん張る気持ちは男を一回り大きく、強く鍛えてくれた。
○…老人ホームが充実していなかった1992年。「無いなら自分で」と、社会福祉法人愛川舜寿会を設立。老人ホームミノワホームを開設した。自ら介護を経験しているから、利用者だけでなく職員の気持ちも汲むことができる。現場にも理解と優しさが伝わり、施設は地域福祉の拠点になった。そんな姿に白羽の矢が立ち1995年、引退を控えた町議が「選挙に出ろ」と背中を押した。町議を2期務め、2003年から県政へ。保守系会派「県政会」に所属。党派を超えて幅広く意見を聞く、県政の「調整役」としても尽力する。
○…多忙な生活の息抜きは料理。録画した料理番組で勉強し凝ったメニューもお手の物。孫や息子夫婦には「お父さんのカレー」や「ポテトサラダ」が好評だとか。「やっぱり団らんは癒される」と目を細める。最近は料理だけでなく自分の洗濯物は自分で洗う。酪農をしていた頃から寄り添い続けてくれた夫人に、せめて家事で恩返し。「自分は昔の人間だから、なかなか優しい言葉をかけられない。いつも行動が先に出ちゃう」。決意を新たに、背中で語る男の4期目が始まる。