厚木地区私立幼稚園協会の会長を4月から務める 小島 厚子さん 厚木市飯山在住 57歳
子どもを見守る母の心
○…厚木市・愛川町の私立幼稚園20園からなる、厚木地区私立幼稚園協会。4月21日付で新会長となった。「今まで会長をなさった方たちは、皆さんなるべくして選ばれた方ばかり。私ができるのは協会のスポークスマン兼デリバリー係。各園の声を代表して行政に発信し、外の情報を会員に伝えるのが仕事です」と控えめに話す。
○…園長仲間は2代目、3代目…と世代交代のはざまにいる。自身も父の跡を継ぎ園長となって8年目。園児157人を預かるトップとして「上がいないことの怖さや時間のやりくりの苦労を、4年前に父が亡くなってから身をもって感じました」と振り返る。保護者の世代も変わり、昨今は子どもをめぐる悲しい出来事も市内であった。「子どもも保護者も初めての集団教育の場が幼稚園。ルールを守って、みんなで子どもを見守る意識をイロハから伝える重要性を感じます」
○…44年前、小鮎幼稚園が誕生した時は中学生。「ちょうど盲腸で入院していた時に、ベッドの横で母が学校法人会計の勉強をしていたのを鮮明に覚えています。両親ともイキイキしていました」と回想する。当時の夢は「しっかりした女性になりたい」。大学卒業後は都内のソフトウェア会社に3年間務め、会社の上層部に普及したばかりのパソコンのイロハを教えた。嫁いだ姉の代わりに、26歳で幼稚園へ。まずは経営を学び、あれもこれもできる幼稚園の仕事に魅力を感じた。
○…周りからは「度胸があり、さっぱりしていてオトコのよう」と言われることも。なんだか朝ドラの「おあさ様」みたいですねと聞くと「録画して毎日見ていました。コツコツ頑張る気持ちに共感しました」と笑顔。朝の日課は夫と社会人3年目の長男への弁当づくり。この日のおかずは卵焼き、コロッケ、アスパラ。「長男がコロッケとから揚げとカレーが好きで。子どもみたいですよね」。やわらかい母の心を感じた。