11月3日から始まるねんりんピック富山2018のソフトボール競技に出場する 伊從 弘さん 愛川町田代在住 63歳
夢は「80歳までピッチャー」
○…「2年前の長崎大会では、十分なピッチングができなかった。今回は体調をしっかり整えて臨みたい」。熱のこもった言葉が心強い。60歳以上を中心に、あらゆる世代の人たちが交流を深める健康と福祉の祭典「ねんりんピック」。全国的な大会だけにレベルも高く、単純に速いだけの球はすぐに打たれる。「それだけに、クセのある自分のピッチングは相手のタイミングを外すことができる」とニヤリ。
○…学生時代に野球経験は無かった。30代で声を掛けられ、田代の地域のチームが最初の一歩。40代で看板業として独立し、当時の工場があった厚木市のチームでも経験を積んだ。ここでの活躍が認められ、厚木市内でもレベルが高い厚木クラブに所属。「技術はもちろん、意識の高さも勉強させられた」と振り返る。
○…田代で生まれ育ち、東海大学の芸術学科を卒業後は愛川町や厚木市で臨任教員として勤務した。腕一本で「アート21」を設立してからは、様々な看板や金属銘板などの製作を手掛ける。半原から相模原へとつながる真名倉坂にあるあいちゃんの観光看板は、多くのドライバーたちに愛川町をPRしている。教員の経験から学校関連の依頼も多く、「仕事が続けられるのも良い縁あっての事。恵まれています」と感謝に目を細める。
○…多趣味だったが、60歳からシニア厚木クラブに所属したことでソフトボールに集中することを決心。土日の練習の他に、工場の片隅にピッチングプレートを作り、水曜日は肩を鍛える。「トレーニングマシーンでみっちりやったら、むしろ体を壊しちゃった」と苦笑い。今がベストの練習量だ。「チームには80歳で今もピッチャーを続けている先輩がいる。自分もそうなりたいね」。夢語る瞳は、まさに球児の輝き。