回顧よこすか 紙面から振り返る2012年 コスプレから人口減少まで
今年も残すところあと10日。この1年、新たなまちづくりや高校サッカー部の活躍など明るいニュースがあった一方で、災害廃棄物の受け入れをめぐる問題が長引き、硬軟話題の多い年だった。紙面から2012年を振り返る。
震災がれき受け入れ問題
東日本大震災で発生した災害廃棄物(震災がれき)を神奈川県で受け入れる考えを示した黒岩祐治県知事は1月中旬、産業廃棄物最終処分場のある芦名で地元説明会を行った(=写真【1】)。被災地のがれきを政令3市で焼却し、その灰を「かながわ環境整備センター」に埋め立てる計画。これに対し住民側は、放射性物質による影響の懸念や、災害廃棄物は県と地元との協定外であることなどから、反対の立場を強く訴えた。
知事は2月、当初の計画を撤回することを表明したが、7月には岩手県から漁網を約2000トン受け入れる案を大楠連合町内会の役員に伝えた。11月に同町内会の住民向けに開いた説明会で知事は、漁網は放射性物質に汚染されていないことを強調。同席した吉田雄人横須賀市長も受け入れに理解を求めた。同町内会では住民の意向調査を今月行っており、地元の意見の集約を進めている。
藤沢に人口抜かれる
定住応援サイト『すかりぶ』が、横須賀市と横須賀商工会議所などの連携で2月に始まった。結婚・子育て世代を主な利用対象者とし、授乳スペースや多目的トイレがある施設や店舗の紹介、イベントの情報を発信している。
その一方で、横須賀市の推計人口(4月1日現在)は41万3401人で、藤沢市の41万5211人に抜かれ、県内5位となった。市長は12月の市議会定例会で「定住促進は事業者も含めたオール横須賀の総力戦で取り組む必要がある」と述べ、『すかりぶ』の事業効果も検証するとしている。
コスプレの広がり
アニメや漫画のキャラクターをまねて変装する「コスプレ」が市内で広がった。
始まりは追浜コミュニティセンターで3月に行われた初心者向けのコスプレ講座。受講者はまちのクリーンキャンペーンに参加するなど、地域貢献にも積極的に取り組んだ。
上町は4月の桜まつりに市内外のコスプレーヤーを集め、独自色を打ち出した(=写真【2】)。また、10月のハロウィンイベントでは、コスプレ女王で追浜観光大使に就任したキキワンさんが市内各商店街を訪れるなど、盛り上がりを見せた。
美術館で「ラルク」展
横須賀美術館で6月、人気ロックバンド「ラルク アン シエル」の特別企画展が開かれた。美術館を幅広いアート空間ととらえた新たな試みで、メンバーが使用した楽器や衣装、写真などを展示した。チケットの販売枚数は2万枚を超え、同美術館企画展での月間販売記録を更新。来年3月には、『日本のポップミュージック音楽史(仮)』の開催を予定している。
水道事業新会社を断念
市上下水道局と民間業者の共同出資で設立予定だった水道事業の新会社について横須賀市は6月、計画を断念した。顧問弁護士から「新会社との随意契約に合理性がない」などと指摘されて決断。
市長は市議会で、今後は情報の共有や法令順守を徹底する考えを示したが、市議からは市長のマネジメント能力などをただす声が相次いだ。
三浦サッカー全国優勝
8月の全国高校総体(インターハイ)男子サッカーに初出場した三浦学苑(=写真【3】/6月の県予選優勝時)が、全国制覇を成し遂げた。メンバーの半数以上が市内出身で、地元色の強いチーム。猛暑の連戦という中でも、持ち前の「走り負けないサッカー」を貫き、優勝杯を持ち帰った。
女子サッカーでは湘南学院高校が出場しベスト8入りを果たすなど、今年は高校生のサッカー部の活躍が目立った。
大滝町ビル計画中止に
大滝町のさいか屋旧大通館跡地(=写真【4】)に、複合ビルの建設を計画していた大手ハウスメーカー「一条工務店」は9月、建設中止の方針を地元関係者に伝えた。震災被災地の建設ラッシュで、工事費が上昇していることなどを理由としてあげた。
当面の間、同跡地は駐車場として利用される見通しだが、地元商店街は地域活性化に活用できるスペースの転用などを地権者に求めている。
日の出町に「ヤマダ電機」
来年3月に佐原に全面移転する湘南学院高校の跡地(日の出町)に、家電量販店の「ヤマダ電機」が出店することが10月に明らかになった。現在三春町で営業している「ヤマダ電機テックランド横須賀店」が同跡地に新店舗を建設。12月にオープンする予定。
平成町のうみかぜ公園隣の住宅展示場跡地では「ノジマ」が来年オープン予定で、「コジマ」(日の出町)もあわせた家電量販店三つどもえの激しい競争が予想される。
佐野に専門学校
旧市立陽光小学校の跡地に大学開学をめざしていた学校法人後藤学園は10月、運営する「神奈川衛生専門学校」(小田原)を同地に移転する方針を発表した。校舎の工事はおととし終えている。来年4月の新入生から横須賀の校舎で授業を行う予定だが、現在も移転申請中の段階。
東西漁協の新たな取り組み
大楠漁協で養殖の研究が進められていた佐島産アワビ(=写真【5】)が11月に初出荷された。2010年度から市の補助を受けながら、若手漁師らが進めてきた事業。今回、10センチ大にまで成長したアワビ約30個が佐島朝市で販売され、即完売となるほど盛況だった。
一方東部漁協では、週末を中心に魚や加工品を販売する直売所を11月にオープン。地魚のご当地グルメの開発にも着手している。
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