N響首席クラリネット奏者で、11月17日に横須賀三浦教育会館でコンサートを行う 松本 健司さん 久里浜出身 41歳
「ときめき」が原動力
○…久里浜小4年の時、学校の音楽鑑賞会で初めてクラリネットの音色に出会った。「他にも楽器はあったけど、何故かこの音に”ときめいて”しまった」。それから30年、日本最高峰のオーケストラ・NHK交響楽団の首席奏者として、生まれ育った横須賀で久しぶりの演奏会を行う。
○…楽器を手にしてからの人生を言葉で表すならば「行動力」。小学生ながらもレッスンに通い、N響アワーで演奏する首席奏者(後の恩師・浜中浩一氏)の姿に「自分もこうなりたい」と目標が定まった。翌年、横須賀で行われたN響演奏会の後、浜中氏にサインをもらい、その勢いで個人指導も取り付けた。その最初のレッスンで「N響の首席奏者になりたい」と宣言したという。中・高時代も、まさにクラリネット漬け。「好きだから続ける、こうと決めたら進む。意志が強いんです」
○…大学時代、恩師のようにフランスで学びたい、とパリの国立高等音楽院に進学。念願のパリ生活は「充実した5年間だった」と懐かしむ。クラシック音楽が生活に溶け込んでいる環境を存分に楽しんだ。帰国前、念願のN響から声がかかり、エキストラで出演。国内外を行き来しながら経験を積み、厳しいオーディションを経てN響に入団。首席になって初めての演奏会は「どうやって帰ったか覚えていないほど緊張した」と振り返る。
○…今は「電車の中で練習できればいいのに」と思ってしまうほど多忙だ。N響の演奏会への出演は年に60回近く。ソロや室内楽ユニットでの活動もある。大学でもレッスンを受け持ち、現在は約40人を指導。遠くは沖縄の大学まで足を運ぶ。その中で「ネットなどで世界中の音楽が簡単に手に入る時代だからこそ、演奏会で奏者と同じ空間を共有してほしい」という思いを強くした。音楽は五感で楽しむもの。自分のように、ときめく出会いがあることを願っている。
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