「吉田雄人市長の不透明な市政運営に関する検査特別委員会」が先月30日に開かれ、本格的な追求が始まった。地方自治法98条に基づいて審査を行う通称「98条委員会」と呼ばれるもの。議題は、議会での虚偽答弁、市有地のバーベキュー施設における建築基準法違反問題、市長への献金者を職員に採用した問題の3つ。今月23日には市長を招いて質疑を行う予定だ。
事の発端は、横須賀製鉄所の150周年記念事業で今月15日から企画されている、訓練帆船「日本丸」の久里浜港招致イベント。これに際し、6月議会で吉田市長に虚偽答弁があったと議会で指摘されたことが契機となる。市長は「寄港先を久里浜としたのは先方の意向」と当初議会で説明したが、市議の一人が日本丸を管理運営している「(独立行政法人)航海訓練所」に事実関係を確認。市側から久里浜港を希望する要望書の提出があったことを明らかにした。異なる答弁内容を重く受け止めた自民党市議団が8月、事実究明を目的とした検査特別委員会、いわゆる「98条委員会」の設置を議会運営委員会で提案。全会一致で開催が決定し、無会派を除く各会派から1〜3人、計12人で構成されることになった。同委員会の設置は横須賀市議会では初。
この事案のほかに、市が全額出資している一般財団法人が管理する「よこすかポートマーケット」駐車場のバーベキューパークが建築基準法に違反した状態で営業していた問題や、市長への献金者を職員採用していた問題が挙げられている。
「根幹揺るがす問題」
先月30日に行われた「吉田市長の不透明な市政運営に関する検査特別委員会」(木下憲司委員長)では、議題の再確認や今後の審査日程などが話し合われた。献金者の採用問題に関し、「面接官の中に市長がいた」という一部報道を受け、議員からは「本当なら本市の根幹を揺るがす問題」「市は面接官を非公表としているが、その基準がわからない」と厳しい意見が寄せられた。調査に強制力が生じる100条委員会への切り替えを求める声も上がった。
その一方で市議の中には、再来年に行われる次期市長選を見越した牽制ではないか、と見る向きもある。
次回の審議は今月16日を予定。23日には市長に質疑を行い、12月の議会で途中経過を報告する。
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