株式会社富士防の代表取締役で「富士防職業訓練校」を開校した 岡田 成煥(せいかん)さん 森崎在住 55歳
地域で活きる人材育む
○…「3K」と言われる建設の現場も変化を求められている。徒弟で先輩から技術を学ぶ時代は去った。「職人の地位を守り、育てる環境を作りたい」。マンション等の大規模修繕を専門とする企業として、県内で初めて「防水科」の職業訓練校を開校した。防水の多能工を養成し、地域人材として定着させていく狙いもある。
○…「手に職をつけたい」と中学卒業後、建設現場で働き始めた。23歳で独立。ちょうど平成の始まりの年だった。会社名は「縁起良く富士山から拝借した」と笑う。当時は防水工事専門の下請けが中心だったが、マンションの長寿命化が進んだこともあり、徐々に大規模修繕工事を手掛けるようになった。数年前、社員発案で名付けた自社のキャッチコピーは「たてものを育む」。修繕に携わる企業として、時代に合わせて事業の強みを広げてきた。
○…住みながら改修するのがマンション等の大規模修繕。その現場で活躍しているのが女性社員だ。工事事務所に常駐する「コンシェルジュ」や住民目線の「環境パトロール」サービスは、県の「なでしこブランド」に建設業として初めて認定された。業界としては珍しく、女性社員が約30%と高い割合の同社。「男女問わず能力を活かす場を広げ、長く働ける環境を作りたい」。社員を思う気持ちは深く「肉体労働も多い仕事。スタミナをつけて」と20年前に社屋の1階に焼肉店を開業。「社員と家族の満足度」にも気配りする。
○…40代後半からフルマラソンに挑戦、10回以上完走している。「走ることは自分との戦い」。アップダウンを乗り越えながら前に進んでいく過程は、会社経営に通じる部分も多い。起業から30余年、地域を軸足に走り続けていく。
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