横須賀・三浦 経済
公開日:2024.01.01
タウンレポート
「メタバースヨコスカ」の行方
インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した観光振興に力を入れ始めた2023年の横須賀市。主な柱は2つ。1つ目は横須賀市の観光地であるドブ板通りと三笠公園を再現した「DOBUITA&MIKASA WORLD」をオープンしたことだ。ワールドと呼ばれる空間内に「よこすか海軍カレー」などのアイテムを配置。ほかにもアバター用の「スカジャン」の無料ダウンロードなどを通して横須賀ならではの魅力を発信し、市外からの誘客を図っている。
2つ目は市民向けのデジタル教室の開催だった。プログラミングツール「ユニティ」や3D製作ソフト「ブレンダー」の使い方から応用までを幅広く市民に教える事でICTスキルの向上や、同ワールド内での魅力的なアイテム作成から発信までを担う人材の育成に注力するものとなっている。「メタバースヨコスカ」が始動してから約2カ月。企画段階から参画し、庁内外の関係者とともに同取り組みを先導する同市観光課の小山田絵里子さんにこれまでの成果と今後の展望を聞いた。
メタバースヨコスカがオープンした10月27日から4日間で1万ダウンロードを記録した3Dアイテムのスカジャン。当初の目標の5倍の数をわずか4日で達成し、SNS上ではこれがきっかけでスカジャンを購入した人の声も聞かれるなど、順調な滑り出しを見せた。
各所で導入が進んでいるメタバース。スマートフォンさえあれば体験が可能な仕組みで運営する自治体も多い中、横須賀市は「VRチャット」と呼ばれるプラットフォームで同ワールドを展開している。必須ではないがヘッドセットの使用が前提で、別途「Steam」と呼ばれるアプリケーションのダウンロードが必要となる”玄人向け”の媒体だ。その狙いを「クリエイター気質が多いVRチャット内の既存ユーザーに横須賀を周知させ、市にちなんだアイテムを作成し、発信してもらう事で振興に繋げたい」と小山田さんは語る。メタバースを用いて就職説明会などのイベントを開く追浜発の企業で、人材マッチングを手掛ける株式会社tayoの代表である熊谷洋平氏は市の取り組みについて「一般向けというより、入室してくれた人に高い満足度を届ける事が狙いでは」と分析する。
昨年11月にはメタバース界隈で人気のアーティストを招待した音楽イベントを開催するなど、個人間のやり取りだけではない新たな試みにも挑戦している。今後も横須賀美術館とのコラボや種々のイベントの実施を予定しているなど、手を緩めず施策を打ち続ける。
昨年12月28日にオープンした新エリア「猿島」は、”空間”を楽しむドブ板通りや三笠公園とは違い、よりゲームらしい”体験”を追求し、本格的なシューティンゲームを実装した。「白い猿」をモチーフにしたキャラクターを武器に見立てるなど、島の歴史という観点からの魅力発信にもつなげていく。
自走出来る環境作り
メタバース事業の2つ目の柱である「メタバースヨコスカEDUCATION」は昨年11月から市民を対象にスタートし、安浦に拠点を構えるITプラットフォーム「YASUULAB(ヤスウラボ)」の協力で全6回の講義が行われている。3Dアイテム制作を通して、より実践的な技術を身に付けてもらう事で、「横須賀市でビジネスチャンスを感じるきっかけになれば」とし、「横須賀にちなんだアイテム制作を通して発信する側にもなってほしい」と期待を込める。
今回の取り組みは、事業者や個人などを巻き込み市が先導しているが、今後は市が介在する事なく”自走”する体制づくりを目指していく。長期的な運用は、予算不足などの理由で頓挫する自治体が少なくない中で、まずは伴走出来る運営の”仲間探し”を行っていく。
ピックアップ
意見広告・議会報告
横須賀・三浦 ローカルニュースの新着記事
コラム
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











