「笑い療法士」を名乗り、出前講演を精力的に行っている 川村 崇子さん 横須賀市佐島在住 69歳
笑い届ける関西のおばちゃん
○…認知症を正しく理解するための講演会。85歳以上の発症率をクイズ形式で問いかけ、慌てて回答しようとする人たちを「待て! 順番に聞くよ」と大袈裟な身振りで制する。関西弁のぶっきらぼうな物言いは、演者と客席の距離を縮めるためのテクニック。介護現場の「あるある」エピソードを巧みに切り取った漫談で会場の関心を引き寄せる。笑いを感染させる力は芸人顔負けだ。
○…肩書は「笑い療法士」。笑いは元気の源、笑いは身体の万能薬のメッセージを携えて人前に立つ。介護福祉士の顔を持つが、ユニークな講演活動が評判となり、宣伝は一切行っていないのにも関わらず口コミで町内会や福祉団体からの依頼が舞い込む。昨年は横須賀市内だけで25カ所を訪れた。リピートを求めるファンも増殖中だ。
○…講演スタイルの原型は、滋賀県米原市の社会福祉協議会職員時代にある。「人生100年時代」をテーマにした講座を担当することになり、綾小路きみまろさんを手本にしたパフォーマンスが大ウケした。太鼓やギターの演奏を交えたリズムゲームを取り入れたら参加者の笑顔がさらに増え、名刺に記載している「高齢者を元気にする笑い塾」のメソッドが完成した。
○…娘に誘われて移住してきたのが2年前。関西からやってきた「ヨソモノ」が受け入れてもらえるか不安があったが、散歩中に出会った人たちにかつての活動を話すと「聞いてみたい」の声。ネガティブな気持ちが晴れ、「もう必要ない」と思っていた鳴り物や小道具を取り寄せて新天地で話芸を披露する日々だ。新たな挑戦として、高齢者の日常を発信するYouTube番組も構想中。お腹の底から笑って若くなる。そんなストーリーを編んでいく。
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