横須賀・三浦 文化
公開日:2026.07.31
兄弟ピアノデュオ「レ・フレール」 始まりの地で鳴らす4手連弾 メジャーデビュー20周年
横須賀市久里浜出身の兄弟ピアノデュオ「レ・フレール」の斎藤守也さんと圭土さんが9月5日(土)、メジャーデビュー20周年を記念して、地元の横須賀芸術劇場(横須賀市本町)のステージに立つ。同劇場での公演は4年ぶりとなる。
レ・フレールは、当時29歳だった守也さんと24歳だった圭土さんによって結成された。きっかけは、当時飼っていた守也さんの愛犬が交通事故に遭い、その手術代や入院費を捻出するために横須賀中央のライブハウスで企画したコンサートだった。互いにソロ活動をしていたため個々の演奏がメインだったが、アンコールで1台のピアノを2人で弾く「4手連弾(キャトルマン・スタイル)」を披露した際、観衆から猛烈な歓声を浴びた。このステージでの反響を機に連弾が持つ音楽的な可能性を確信し、デュオとしての本格的な活動をスタートさせた。
デビュー後はオリジナルアルバム6枚をはじめ、カバーアルバムやベスト盤などを発表しながらツアー活動を続けてきた。メジャーデビュー20周年に守也さんは「当時、母親に連れられてライブに来ていた小さな子どもが今では社会人になって自分のお金でコンサートに来てくれる。僕たちの音楽が誰かの人生の一部になっていると思うと身が引き締まる」と、歳月の重みを語る。演奏面について圭土さんは「当時の音源を聴くと若さや青さを感じるが、20年間経験を積んできた今の僕たちだからこそできる表現や技術的な進化は確実にある」と成長への自信を覗かせる。
2人にとって横須賀は、音楽的ルーツを育んだ特別な場所だ。守也さんは「デビュー前にドブ板通りで地元のミュージシャンとブルースバンドで交流した経験が音楽活動の基盤になった」と話し、圭土さんは「今でも久里浜や浦賀のあたりに帰ってくると、海のワカメの匂いや船の鉄の匂いがして五感でホッとする」と故郷への愛着を語った。代表曲の『ブギー・バック・トゥ・ヨコスカ』は、デビュー直前に「全国へ活動を広げてもいつでもこの場所に帰ってくる」という強い想いを込めて圭土さんが手掛けたもので、今や全国のステージで演奏される定番曲となっている。
圭土さんは9月にソロアルバムをリリースを予定。レコーディングは横須賀の西海岸沿いに新設されたスタジオで行った。生前の坂本龍一氏と交流のあった人物が運営しており、坂本氏が愛用していた貴重な機材や楽器が寄贈された特別な空間だったという。
守也さんは10月、自身がプロデュースするバリアフリーコンサートをヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開催。今回で4度目となり、横須賀の秋の定番コンサートとして定着している。
今回の公演に向け、守也さんは「20年の感謝をステージで出し切る。僕たちの音楽で育った子が親になり、次の世代へと繋がっていく。その流れを体現したい」。圭土さんも「キャトルマン・スタイルのベスト・オブ・ベストと呼べるパフォーマンスをお届けする」と意欲を示した。
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